081 A先輩の話ー3(短目)
世の中には少し不思議な話がある。
少し不思議な人間が居る。
例えば、
『ジャンケンが異様に強い人』
『華奢な腕で、何故か男に腕相撲で負けない女性』
『後ろからの攻撃を避ける武道の達人』
etc‥‥‥‥
人面犬や口裂け女などの都市伝説と違い、
確かに存在する。
そんな人と間接的に関わったA先輩の話。
A先輩の知り合いが、相談をしてきた。
その筋では有名な、
「腕相撲で男相手に負けたことがない華奢な女性」
そういうSF(少し不思議)な人に挑戦するのだと。
もちろん腕相撲で。
武術の技で良い方法はないかと相談に来た。
なんとかそのSF(少し不思議)な人に勝つ方法はないかと。
A先輩は、有る方法を提案した。
中国武術にて使われる『意』(イメージ)を使う方法。
腕相撲をするときに、
自分の腕を押して加勢してくれる、
大きさ15㎝程の『こびと』のイメージを。
その秘策を胸に、
A先輩の知り合いは、
そのSF(少し不思議)の人に挑戦したという。
しかし、その『意』が彼女の腕相撲のスキルに通じたかは、
解らなかったという。
何故なら、
勝負が始まった瞬間、
『こびとのお化けがいるーーーっ!!!!』
と叫んで、
彼女は逃げ出してしまったからだそうな。
ちなみに彼女は霊が視える人でもあったらしい。
彼女が腕相撲で負けなかったのは、
霊能力でも使っていたのだろうか?




