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武術覚書  作者: asada11112
62/187

062 恐怖に対する我慢

ロシアの軍隊格闘術システマ、

それには『恐怖に対して我慢する』と言う方法論がある。


以前師匠が、

日本で初のシステマインストラクターの講習会に出た折、


相手の打撃を、避けずにあえて受けると言う練習を見て、

インストラクターに質問した。


『何故避けないのか?』と。

インストラクターの答えは、

「これには非常に深い意味がある。しかしながら説明するには時間が足りない。私を信じて練習して欲しい」

と言う答えであった。

(一応その場には私も参加していた)


師匠にとってそのインストラクターは、

師匠と強く共鳴する部分があったので、信じる事にしたとの事。


システマに関しては、

私も非常に興味深々で、

発売されたDVDなどを買い漁り、

見た後に師匠に回すと言う事をやった。

(師匠の方がより深く見抜く事が出来る為)


師匠は動画を研究し、実際の講習会に参加して研究した結果、

あえて打撃を受ける理由が分かったとの事。


あれは中国武術においては、太極拳における

『捨己従人』

と同じモノを身に付ける為の方法論であるそうな。

つまりは聴勁や化勁にも通じる。

そして特に軍隊格闘技である故に、兵士が皆、技を会得する様に、

秘伝などを取っ払ってドンドン教え込むようにしてあるので、

中国武術よりもハードルを低くしてある。

(その代わりに、中国武術の方は職人芸レベルまで、芸術性がでてくるレベルまで突き進んでいる)


簡単に言うと、

相手がまだ動かない時に逃げると、

相手は攻撃しない。

相手が脳内で攻撃命令を出して動く時、

実はこの段階で相手の打ち気を読んで逃げる事は余り難しくない。

(因みにごく短時間の練習で背後からの攻撃を察知して避けられるようになる)

そして無意識は早い時点で逃げようとする。

すると攻撃命令をキャンセルするコマンドが発生して相手は動かない。


そこの恐怖を耐えて受け入れることで、

相手の命令コマンドがキャンセル不可能な段階まで来てから、

相手の打撃を化勁する事が可能になる。

これは『後の先』であり『招法』に相当する方法論である。


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