038 陰陽の術理その二
陰陽の術理その二
武術の使い方、特徴は常に陰陽で考える事が、
謎を解く為に必要である。
例えば形意拳と他の武術では
『制空圏』の使い方が陰陽逆転しており、
B壇太極拳とB壇の他の武術は、勁の構成方法が陰陽異なっている。
この辺り、現代の伝統武術にどこまで残っているか?、
日本の古流武術が太平洋戦争後、
一時絶滅寸前にまで衰退し、
また、中国武術も、文化大革命により絶対寸前にまで衰退した。
その為、理論的に上記の内容を詳細に説明出来る人間も、またいなくなってしまったものと予想される。
B壇の太極拳は、
李書文八極拳や尹福派宮宝田八卦掌の理屈で組み直してある為、
大陸の太極拳と比べてかなり異なった術理を持つに至っている。
これに師匠が気が付いたのはついぞ最近。
太極拳を練っていて、
B壇の太極拳老架式から、
その延長の二路砲捶や小架を練っていて、
架式の取り方と勁の出し方が、
どうも『延長線上にない』感じがして、
当時たまたま他の生徒が休みだった為に、
私と対人をやりつつ検証していた。
私に化勁を教えでいる時に、
師匠「あー、この部分小架の套路と同じだ」
と言った。
師匠「確か、太極拳は化勁で発勁が出来るから‥‥」
と、そのまま打って見ると、
私は今までの使い方とは違う感覚で崩れて行く、
師匠「いや、まさかこの使い方で発勁が出せるのは驚いた」
との事。
型でこれが完全な形に残っているのは、
『拳児』の陳家溝編で出てきた恐いお婆さんのモデルになった人の小架であると言う。




