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武術覚書  作者: asada11112
34/187

034 合気

合気


昔、師匠が大きな合気を話題にした討論用の掲示板にて、


合気の定義を尋ねた。

『何が出来たら合気なのか?』

と。

相手の力を無効化出来たら良いのか、

肩を押さえに来た人間を吹っ飛ばせば良いのか。

相手の持ってきた手を引っ付けてしまい、離れなくして仕舞えば良いのか。


しかし、誰もそれを答えられる人間がいなかった。

因みに上記の事なら、

師匠の場合、

中国武術の化勁や発勁を使って全部出来るし、

他に何か定義を出されても、大概勁力を使って出来る筈だから、

なにがしか定義をしてくれたら、

師匠「合気が出来る中国武術家だって自分のことを公言するつもりだった」

との事。


果たして合気サイドは、

それを恐れて定義をしなかったのか、

それとも合気の定義が出来ない、知らなかったのか、


師匠「因みに発勁と化勁なら俺は完全に定義出来る」

との事。


それらの話は既に20年前の事であり。

ついぞ数ヶ月前に、

師匠「合気わかったぞ〜」

と言って、

掛けてくれた。

のみならず、やり方を完全にバラしてくれた。


驚いた。

確かに合気的な利き方をする。

しかも、化勁や発勁ともまるで違う技法原理であった。


私「何故、これが合気だと分かったのですか?」

師匠「S宗範が、弟子の出した合気の書籍について言ってただろ?、

『これを読んで合気がわかる人間が出て来るかもしれない』って、

その言葉から逆算出来るんだよ。

だって当時17歳のS宗範がT翁から盗んだんだよ、

つまりーーーーーーーーじゃないか」

(横線部はモロバレするので書けません)



はい、たしかに言われれば、

そうかと分かりますし、

これが合気だとも納得出来ます。

しかし、それがわかる事が信じられない。

しかも、会の中の生徒全員にバラしているし。


師匠「いや、俺は中国武術で手一杯だからお前らにやる、

後は自分等で発展させなさい。」


無理です。

師匠が中国武術で手一杯なのに、

その背中を追いかけている人間が、

そちらにかける時間なんて、

全然有りません。


話を変えよう。

合気を受け継ぐ事が出来た人間はどれだけいるのかと言うのを尋ねた事がある。


あくまでも『確実に』盗る事が出来たと師匠が映像から視認出来た人間であり、

師匠の言った以外の人に関しては映像を見ていないのでご了承いただきたい。


T翁の弟子のH師範。

この人に関しては、

師匠「T翁から『小手之合気』を盗る事が出来たと思う。」

との事。

映像から確認した以外にも、

傍証がある。


H師範の弟子であるR会のO宗師の映像を見て、

元S宗範の弟子だったことのある、師匠の先生が、

『S先生と比べて技が甘いね』

と言った事。

S宗範自身が雑誌インタビューにて、H師範の事を、

『私が教えてやった』

的な発言をしていた事。

H師範の弟子等は、その発言に反発していたし、するだろうが、


師匠「逆に、そうS宗範に言わせたって事で、

H師範は合気が出来るって答え合わせしたようなものじゃないか!」


ある意味、S宗範の迂闊な発言だったと言える。


S宗範が自分の弟子に合気を教える事なく逝去してしまったのに対して、

H師範の弟子は如何だろうか?、


そして、A道のS師範(H師範にもついていた)はH師範から確実に小手之合気を盗っている。

R会のO宗師も受け継いでいる。

(ただし、中国武術の化勁や発勁や気功に当たる技術も、

O宗師が使用しているらしく、

技術が広範囲になっているため、

O宗師の弟子がその一部のみ受け継いだ場合、

合気ではない可能性もあるとの事)



S宗範の一番古い弟子が出した書籍では、

H師範は、T翁から『体之合気』を盗って、

そこから小手之合気にたどり着いたのではないかと言っていたが、


師匠「多分逆。小手之合気の術理をそのまま体之合気に用いたから、

それで『技が甘い』状態になった」

と言うのが師匠の見解である。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 師匠の恐るべき慧眼ですね、書籍や時代背景から推測して技を再現する!超能力的です。 お願いがございます。 _ _ _ _ _ _ _ _ のカード一枚だけ開けてもらえませんか?小とか入ってた…
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