032 八極小架(小八極)について
八極小架(小八極)について、
拳児の漫画の内容について、
師匠に尋ねた事がある。
主人公の拳児のモデルは原作者のM老師である。
しかし劇中で、
拳児のやる八極小架は、
M老師の最初に学んだB壇小八極ではなく、
長春八極拳の系統の小架であった。
それは何故か。
師匠「あれはM老師の一番の宝物だから、たとえ漫画でも見せたくなかったのだろう」
との事。
実際に昔日のB壇では、
『もし八極拳の演武を頼まれたら、
大八極(大架式)をやれ、
絶対に小八極(小架)は見せるな』
と厳しく注意されていたそうである。
大八極は、
日本のM老師の系統の八極拳では余り重要視されておらず、
小八極と連環拳をやればそれで良いと言われており、
大八極は殆ど練って来なかったと言う。
して、B壇では何故、中々に小八極を見せなかったのか?、
師匠「見て研究されたら強くなってしまうからじゃあないかな」
との事。
師匠のB壇小八極についての見解は、
「まだ幼い頃にR公がやらさられていたのだと思う。大人がやるには微妙にサイズ(?)が窮屈な感じがする」
因みに師匠も、
「小八極は本当は一番最後に教える套路にするつもりだった」
と言明している。
(考えを変えて基礎として習った)
今では、小八極も八卦十二天肘も八卦腿もYoutubeを代表とする各動画サイトを探せば見られる様になったし、
昭和の名人、達人の動画も見る事が出来る。
良い時代になったものである。
因みに、各派の八極小架の区別の付け方であるが、
まず孟村呉氏系は『起勢式』(又は起式とも一番最初にやる準備動作)から区別が付く。
自分の両手で耳たぶをつまむ様に両手を上げ、
両手の手の甲で自分の両腿をはたく様に手を振り下ろしてから、
一回転して、両腕を前ならえにして手が包拳礼の形を取れば、
孟村呉氏系であると言える。
李書文系の武壇派、張立堂派、李萼堂派は起勢式から2〜 3動作で大体の区別が付く。
(色々工程が多すぎるので説明はご容赦)
長春系を大元の基準点とし、上記3派は李書文独自の工夫がされていると考えて良いと思う。
(大概が長春系に何かの動作を『足して』作られている)
羅疃 系古伝は長春系に近いが、
羅漢打虎式(武壇では蟒蛇纏身)が無い(後から李書文が付け加え、馬家通備系、韓化臣系も同じく付け加えている)




