031 敵あって敵無きが如く、敵無くて敵有るが如く。
型は敵がいるが如く、
対人は敵がいないが如く。
先人の知恵たる口決である。
『型』を、あるいは『功夫』を使うには方法論がいる。
『型』(套路)の練習には、
有意識(表層意識)を徹底して使い、
ミリ単位まで正確に師匠の真似をする。
更に敵をイメージして技を
掛ける事も行う。
これも重要である。
一例をあげる。
型で両手を前に出す
師匠より、右手と左手が離れ過ぎていると指摘を受ける。
師匠「その型は相手の肘と手首を同時に押さえる技だ、お前の相手は手首から肘の長さが80センチもあるのか?」
と言った具合。
つまり『敵がいるが如く』
型において、師匠と弟子の体格差による『ズレ』はこう言った方法論で埋めて行く。
そして対人練習は、真逆
ああしよう、こうしようではなく、
相手は『居ないが如く』
型に任せて自分は徹底して無意識の動きにコンバートする。
成功すると、技が掛かる。
しかし私の場合、
『欲』が少しでも入ると、
途端に効かなくなる。
例えば、
道場で後輩に技を掛ける時に、良いところを見せようとした瞬間に、
師匠に良い所を見せようとした瞬間に、
今まで成功してきた技が急に掛からなくなる。
無意識の中に泡の如く有意識が混ざってしまうが故である。
仕方がないので、
最悪目を閉じて1人型だけをやる。
そこにわざとゆっくり相手に手を突っ込んで貰うと技が掛かる。
昔は、それでも掛からなかった。
意識が相手に行ってしまって欲が出てしまう。
今は目を閉じてなら無意識に動く事ができるまで練習したので掛かる。
師匠「俺の場合、相手に最終的に勝つって『大きな欲』の為には、
その前の小さな『欲』は捨てられるんだよ」
との事。
ちなみに金銭欲も、
使い様によっては役に立つ。
他の生徒たちに動きを見て貰いながら、
順番に生徒同士で対人技をかけて行く。
当然ながら、
上手くいかない。
その時に
師匠「失敗したら『失敗料』として
相手に(生徒の名前)に、
百円払えよ〜絶対だからな、師匠命令だぞー」
嫌だなぁと思いつつ、やる。
キチンと技が掛かる‼️
因みに他の生徒も出来る。
横で見ていて、
『明らかに動きが違う』のである。
で、やった本人はいつもと変わらない動きだと思っている。
師匠「お前らの出来ないって悩みは
たった100円で克服出来るんだよ。ー。
脳味噌の使い方を見つけろよ。」
との事。
しかし未だにどうすればいいか分からない。




