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武術覚書  作者: asada11112
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020 自然な動きって何?

『自然な動き』って何?


よく武術では自然の法則に則った自然な動きをする事が重要だと言われる。

どう言うことか?、

人間とて自然の一部では無いのか?、


と言う問題への師匠の答え。


まず人間のなす事は基本的にこの世で突出した『不自然』な動きである事。

理由は分からない。

自然の摂理に則った『意識』で動く時は唯一自然に動ける。


例えば、

食事をしている時の箸の動き、

相手を殴ろうとせず、

ただおかずに手を出して、

オカズを箸で摘んで、

それを口に持って行く。

これは数少ない『自然な』人間の動きだと言う。


相手に手掌を出して貰い、

棒の先端を相手の掌につけて押す。

普通なら動かない。

相手の掌に煮豆が乗っていると意念する。

棒は長い箸だと意念して、

相手の掌の煮豆を棒の箸で摘む。

それをやったら、

そこで止めて、そのまま棒を押すと、

相手は崩れて退がる。

(意念がただの妄想だと相手は動かない)


これと同質の動きを、

武術で出来れば、

相手に効かせる事が出来る。


ではどうやれば自然な動きが身に着くのか?、

日本の武道、武術ては其処の所、

かなりハードルが高い。

『明鏡止水の境地になれば‥‥』

だから、どうやってそうなるのか?、


中国武術は象形拳を用いてその答えを出した。

人間が『不自然』なら、

動物の動きを真似れば良い。


師匠『動物の動きは人に比べて自然だから』

との事。

象形拳を見てイロモノだと思うのは早計で、

『自然な動き』を体得する為の近道である、と知らねばならない。


最も人から遠く、

自然の摂理に沿った動きをする象形拳は、『螳螂拳』

虫の動き、節足動物である。

人の動きと違いすぎる故に、

返って理解しやすいのかも知れない。

(螳螂拳は比較的に体得しやすい拳法だと言われる)


もう一つ、体得しやすいのは、

逆に人に最も近い動物、

『猴拳』つまり猿である。

因みに通背拳は、大元が『白猿通背拳』と言う猿の象形拳から派生したと言って良い。


太極拳には例えば『白鶴亮翅』に代表される象形拳の動きがあるし、


八極拳には『猛虎硬把山』と言う最も有名な象形拳があるし、


形意拳も、『十二形拳』と言うそれぞれ十二の動物を象った套路がある。



特に面白いのは、

寝技での打撃が発達した『地功拳』、

これの大元の象形拳は『狗拳』つまり犬。

地面をゴロゴロ転がる事が犬にとっての『自然な動き』と言う事になる。




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