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武術覚書  作者: asada11112
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186 鷹の目・螳螂の目


186 鷹の目・螳螂の目



『158正中線ネタ④』の後半で少しやった話を少し詳細に書く。


理由は私が最近、漫画『メダリスト』にどハマりしているから。


歳を食ってここ最近は漫画の単行本を一回読んだら読み返す事はもうなかった。

読み返すにしても何ヶ月か経って忘れた頃にと言う感じだったが、


これに関しては、間を置かずに何度も読み返してその都度面白い。


その作品、

劇中に於いては、主人公のコーチである明浦路司や、

劇中No. 1のスケーターである夜鷹純の能力について言及されている。


『もう1人の自分が自身や空間を俯瞰しているかの様に』

『いわばサッカーで言う「鷹の目」の様な才能』


(分からなかったら是非漫画版を読んで欲しいが)


この才能、

師匠も持っている。


套路や技の練習の時に、

手足の位置の超細かい位置を駄目出しされ、

更には『運動の質』の指導。

超絶難しくて、何を言っているのか分からなかった。


生徒側としては、

何を言っているのか理解する為に、

どこぞに何かのヒントは無いのかと探していて、


たまたまTVを見ていると、

『識字障害』と言う、

一種の障害(?)の代わりにギフテッド的な才能を持ち合わせている人間について特集された番組を見た。


二次元である『文字』を読む事が難しい症状を持つが、

三次元認識能力が一般人に比べて極めて高いと言う話だった。

その人達の特徴は、

普通に物体を見た時、

同時に数箇所からの視点で見る、

理解する事が出来る能力持ちであり、

番組内では、

建築関係でバリバリ活躍している人が紹介されていた。



それを見た私は、

練習時にて師匠に、

私「師匠は自分や相手の姿勢や位置を同時に多方向から俯瞰で見えるんですか?」

と聞いたら、

凄く不思議そうに、

師匠「え?、まさか君らは出来ないの?」

と素で聞き返された(苦笑)。


ギフテッド系の人は、

識字障害ディスキネジア

サヴァン症候群(サヴァンの奇才)

発達障害などいるが、


私は師匠の能力を識字障害者が持つ能力に『近い』と考える。


別段、師匠は文書を書くのに不自由は無いそうだが、


師匠「PCで文書を書くと、必ず何処かで字を打ち間違えているが、

その場では何度見ても気付かない。

暫く離れてから見直して初めて打ち間違いに気付く」

と言っていた。


師匠は他にも気が見えたり、

運動の量や質を色で見る事が出来る『共感覚』なども持っているが、


問題はそこじゃ無かったりする。


普通の人間に、

ある程度ではあるが、

それを体得させる方法論が、

中国武術にはあると言う話。

(ここが大事)




師匠より、何度か練習したとある套路について、

「ここと、この部分をやってみな」

と言われて、動く。

やった体勢でそのまま固まって体勢を保持。


師匠は別の生徒を呼んで私と対峙させて、

師匠「この技やってみて」

やると、生徒が吹っ飛んだ。


交代して別の生徒に同じ事をやって貰うと、

私も吹っ飛ばされた。

そこにいた生徒全員が再現出来た。


あらかじめ、ある套路のある部分をやると、それが出来る。


私「‥‥‥ええ?‥‥‥何でです?」


師匠「套路のその動きをする事で、まるで空から獲物を見ている猛禽類の様に、

相手の動きを上から俯瞰で見える様になるんだよ、

一時的にね。」


師匠「名前を付けるなら、ホーク・アイ(鷹の眼)だろうね」


私「‥‥‥『鷹の目』ですか?、」


師匠「ただ今やった套路は流派が違うから、『月の目』って名前になるのかな?、

多分、鷹爪拳の套路の中にも、この質の動きがある筈だよ、

そっちだったら『鷹の目』って言っても良いと思う。

まあ、猛禽類系の象形拳ならあると思う、金鷹拳きんようけんとかね」


私「きんようけん?‥‥‥‥あ、『きんたか』拳ですか?」


師匠「いやその呼び方は誤解を招くからやめろ。」


と言う会話があった。



また別の機会で、

今度は螳螂拳の練習時に、

師匠は套路の一部の更に一箇所を抜き出して生徒に体勢を保持させた。


そこでやったのが、

反射神経テストである、


例えば、

『定規キャッチテスト』

当時の私の既に歳を食って衰えた反射神経では、

普通の状態では全くダメだったのが、

これをやると掴めてしまった。


で、生徒が皆んなこの状態で、

反射神経速度が爆上がりして、

対人練習で信じられないスピードで相手の技を捌いたりしていた。


相手を罠に嵌めて云々では無く、

実際に反射速度の向上が目撃される。


私「‥‥‥‥何故こんな事が出来るんですか?」


師匠「モノの見方が変わるんだよ、

獲物の虫を追うカマキリの見方が出来る様になって速いんだよ、

象形拳は、動物の動きを真似る事によつて人間じゃ無くなって、

自然な存在になるからこうなるんだ、

こっちは名前をつけるならマンティス・アイ(螳螂の目)って言うかな?」


でもって、

当時、これを習った生徒の1人が、

武術交流会で色々な流派の人が集まった時に、

日本の古流剣術(多分、新陰流系だったと思う。)修練者にこの技術を話したら、

古流「こっちでは『螳螂之眼』と言う術理で同じのがあります」

と言われた。


日本古流ではではちゃんと術理として、

象形拳の方法論がある。


私的には、

「日本の武道関係者が中国武術の象形拳をイロモノ扱いしてるけど、

あるじゃん同じ方法論!!」

と思った。


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― 新着の感想 ―
得難い人の話を聞けるのはとても嬉しいですが、 目標点が上がってしまって難儀でもありますね (^^;)
知人にこの「空間を俯瞰」の話を聞いたところ、 「誰でもできる(断言)」 体得すると色んなことの習得速度が激増するらしいです。 でもやり方は自得を求められている模様 orz 少しヒントはもらえたので、…
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