184 秘伝・五行の気の応用・『内臓の気による直接打撃法』
秘伝・五行の気の応用、
『内臓の気による直接打撃法』
気脈整体法について書いていて思い出したので、
これも書いておく。
(急いで走り書きしたので文章が変かもしれないがご容赦ください)
以前に武藝誌(当時は秘伝誌の増刊だったか?)にて蘇昱彰老師が中国武術の秘伝、
「五行の気」
の理論と実践方法を開示した。
『気』が中国武術において重要なポジションにあるのは昔から言われていたが、
それまではどの様に関わっているのかはハッキリとは解っていなかった。
説明はあっても、ただ『修行で傷めた身体を癒やす為の気功』としての効果があると言う、その程度の理解だったと思う。
それがこの時に初めて、
『気でどうやって相手をぶん殴るの?』
と言う疑問の答えが出された。
普通に武術家の武術家たる由縁は、
『それを使ってどうやって相手を効果的にぶん殴るのか?』
に頭が直結する所である。
そう言う意味であの秘伝の開示は画期的であった。
その記事には、他流派の武術にも、
『知っているなら、中国武術界の発展の為に五行の気について発表して欲しい』
的な内容が書いてあったので、
今回思い出した事を機に、
ここに記したいと思う。
師匠がこれを教えてくれたのは数年前、
しかも、1〜2週間程度であとはもう触れる事は無かった。
師匠によれば、
あの理屈なら、この練習の方法論がある筈、
存在しないと言う事はあり得ない筈なのだが、発表されていない。
との事。
師匠は武術をやる前に、既に仙道をかなり深い所まで自力でやっていたので、
俺は今更これを練習する必要はないけど‥‥‥‥と言いながら生徒に教えてくれたやり方である。
とりあえず、
使う武術は形意拳の五行拳。
(これが一番典型的で分かりやすいので例として出す。
出来るのなら他の門派の套路でも大丈夫だそうだが、
私はこれしか習っていないので)
やり方の原則、
『型の動作の途中で、対応する五行に相当する内臓に心霊手術の様に、
イメージで手を突っ込んで、
内臓の内部から【内臓の気】を手で掴んで引きずり出して、
打撃と共に手に持ったまま【内臓の気】をぶつける』
と言うもの。
ポイントとして、
①パントマイムの様に本当に動作で、
拳から指を開く動作、
内臓に手を突っ込む動作、
内臓の内部で気を掴む動作、
内臓から気を引きずり出す動作、
気を掴んだまま相手にぶつける動作、
を行う事。
②内臓と、内臓の気を掴んだ手の気玉とが気の糸で伸びた餅の様に繋がっている事、
③気の糸の張力を強くイメージする事。(強く粘る力)
実例
例えば劈拳は『肺臓』で肺の位置から前後にしか張力は発生しない。
動作上どうしても上にも運動が行くが、
その時は『気の糸』の軌跡が円弧を描くイメージで、
直角にならない。
鑚拳は『腎臓』で下に張力が発生するが、
拳の運動自体は上に行くので、
まず本来の型の動作とは違って、
(ただしなるべく本来の型の動作に近づける様に努力すべし)
拳を背中の腎臓の位置に持って行き、
後ろから腎臓に手を突っ込んで腎気を引き抜いて、
『しの字型』に動かす。
まず下に動かしてから円弧を描いて上に拳の軌道を変える。
(腎臓から拳の間の気の糸の軌道に、尻の下で滑車を一つ噛ませてある。
上に持って行く時点で、
拳が上がって行くに従って腎臓の位置は下に引っ張られる)
横拳は、脾臓・胃の腑で、
手を突っ込んで内臓で手をぐるっと1回転『かき混ぜ』てから引き抜き、
かき混ぜた形に滑車を噛ませた感じで脾臓・胃の腑に回転の張力を作る
崩拳は肝臓で、
突き出す拳を一旦脇腹まで持って行き、
横から手を突っ込んで、
肝臓から横に気を引きずり出して、
あくまでも脇腹から胴体の側方に張力を作って打つ。
炮拳は心臓で、
拳をミゾオチに持って行った時に、
指を開いて心臓に手を突っ込んで(イメージだが動作はちゃんとする)
心臓の気を引きずり出して手の中に握り、打つ、
気の糸の軌跡は上弧の半円形で上に張力を持つ。
因みに、当時は他の生徒が結構な効果を出していたが、
私は冷え性で気が足りないのか、
あまり効果が出せなくて少々凹んだ覚えがある。
漫画『拳児』の
『先ず開展を求め、後に緊奏に至る』
の如く、
最初は大きな動作が、
完成段階で、内臓に手を突っ込む動作が小さくなって見えなくなり、
ほぼ型通りの五行拳をやっている様にしか見えない。
※追記
この時に、どの打ち方が効くかで、
現在の術者の『五行の内臓』の調子や、
五行的な体質が分かりやすい。




