182 南拳北腿の理由②---『北派武術の秘密・軽身功とは』
南拳北腿の理由②---『北派武術の秘密・軽身功とは』
ここまで読んで来て、ある程度察している人が多いと思うが、
北派は蹴り優位で手技はその次‥‥‥‥‥
まずは馬に乗らなければならない。脚を高く上げて馬に乗らなければならない。
乗馬教室なら台に乗って馬に登れるが、
例えば戦場で台とかが無いのに飛び乗らなければならない。
『騎馬民族』とはそう言うもの。
海洋民族が舟で生活するためには舟での立ち方、
海に落ちない為の剛勁の出し方が必要になるのと同様、
騎馬民族には、高く脚を上げる技術と、
高い馬に飛び乗るジャンプ力が必要となり、
それが北派の『軽身功』であり『蹴り技』に連なる。
基本は、
①自転車でいうならロードバイクに乗る脚の使い方、
→滑面脚
②ママチャリに乗る脚の使い方、
→擺脚
私「師匠、自分に向けて走って来る馬に瞬間的に飛び乗るのは、
『旋風脚』ですか?」
師匠「そう。最初に上げる足で手前のアブミに右足を引っ掛けて、
左脚の大きな蹴りで馬に飛び乗る」
私「ママチャリ乗りでジャンプして飛び乗るのは『ニ起脚』!」
師匠「よくできました〜(笑)」
私「‥‥‥‥って事は、相撲の『八艘飛び』って『正しく軽身功』なんですか」
師匠「うん、力士の『八艘飛び』ってあの巨体で異常な飛距離が出てるよね。
舞の海って凄いよね〜正解見つけちゃったもんね。」
因みに、
七星螳螂拳の套路『挿捶拳』の中の、
『馬式右掛捶〜翻勢左掛捶〜双封手朴腿』
が螳螂拳で習う最初の軽身功であるが、
『相撲の八艘飛び』は完璧にこれを再現している。
挿捶拳での軽身功の最重要ポイントは、
『馬歩の体勢のまま、ジャンプして身体を翻す』
事であるが、
相撲の『八艘飛び』は、立ち会いの『馬歩』で見合っている状態からの、
瞬間的なジャンプであり、
本当に驚くほどポイントを完璧に押さえている。
さて、
ここで一つ、気になる事がある。
『騎馬民族』の『軽身功』が、
その結果『舟と舟の間を飛び回る』伝説の『八艘飛び』と言う、
『海洋民族』の技名となっている。
日本は島国であり、
馬がいなかった海洋民族であり、
そこに古墳時代に馬が輸入され騎馬民族武術が入った。
『South meets North』が起こったのかもしれない。




