181 南拳北腿の理由①--『南派武術の秘密剛体術・硬功夫(インゴンフー)とは』
南拳北腿の理由①--『南派武術の秘密剛体術・硬功夫とは』
南派武術の立ち方と、
南派武術の身体の使い方『剛体術』と、
『海洋民族』とは、深い関わりがある。
ただし、現在の南派の進化過程で捨てられたかも知れない。
だから現在の南派の術理には当てはまらない可能性があるので予めご理解いただきたい。
まずはイメージを、
小さな手漕ぎボートに乗って、
その真ん中で身体を舳先に向けて立つ。
舟から落ちない様に、
両足を開いて、左右の舟壁にまで足の側面が着くまで広げる。
(これで空手の三戦立ちや二字紺羊馬の形になる)
このまま強く両足を開こうとする。
当然、左右の舟壁が押し返して来るのに耐えつつ、
それでも更に開く力を掛ける。
これが、南派武術の剛体術の根本たる剛勁の確保の方法である。
(一応、極秘伝のはず、恐らくは舟から落ちない為の力の入れ方から派生したと考えられる。)
これで下半身に強烈なテンションが掛かっているが、
それを上体に『持ち上げる』。
これが虚領頂勁・立身中正・含胸抜背である。
師匠が思いっきり胸を殴ってみろと言ったので最初は怖々、
師匠が全然平気だったのでどんどん強く打ち、
最後に思いっきり殴ったが全く効いていなった。
私が体験した時には、
私の両足に左右の生徒が足を置いて、
左右の舟壁の役割をしてもらった、
それである程度の力で殴ってもらって確かに耐えられた。
この方法論は、
南派武術では無く、古伝琉球拳法の使い手が見せてくれたものだと言う。
因みにこの時、
フルコン空手の師範が、
その人の脚に思いっきりローキックをかましていたが、
まるで電柱ても蹴ったかの様に、
『振動すらしなかった』
との事。
それを腕に持って来て殴るから常識外の威力が出せる。
(勿論、これが基礎の中の基礎であり、初歩の初歩である)
師匠「俺にはそもそも無理、
その人は剛勁を作る為に下半身をもの凄い鍛えていて、
まるで岩石みたいな脚してた。」
で、これが剛体術を作り出す秘伝と言う事は、
この両脚のテンションが切れると剛体術が切れてしまうと言う事であり、
その為あの空手や南派武術が型でやる、
『独自の歩き方』
となる。
でもって空手や南派武術は、
その立ち方が勁の源泉である為、
手技優位で蹴り技はその次である。
現在の空手や南派武術では、
北派の様な蹴りを多用する人も見られるが、
それだと、初歩であり源泉の剛勁の作り方を捨てた事になる。
現代のスタイルへの進化・変化だから仕方がないとは思うが、
だとすると、あの南派武術や空手の独自の型・套路の意味が消えて行く事になるし、
古伝を残すか現代に適応するか。




