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武術覚書  作者: asada11112
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162 『消える動き』・カンフーバージョン

162 『消える動き』・カンフーバージョン


『消える動き』は、日本の古流武術、

振武館の黒田鉄山師範が提唱して有名になった言葉である。


因みに黒田師範はそれを弟子から指摘されて使い出した言葉であり、

その弟子はもとは空手をやっていて、

その空手の先生が消える動きを使っていたとの事。


黒田師範は、

弟子が

「いまのこの部分で動きが消えています」

と言う指摘を頼りに練習を進めて、

現在の技倆に達したと言う。


一応、中国武術にも消える動きは存在する。


その中の螳螂拳における『消える動き』を今回説明してみる。



二〜三度、私が塔手の構えをしている所にやって貰う。


でも自分的には消えている様に見えない。


しかし、確かにその動きで手を出されると、

防御が間に合わない、


同じスピードで、消えない動きだと防御が間に合う。


正直、違いが分からない、

でも反応が起きずに師匠の手が私のオデコをポンと触る事実に困惑‥‥‥‥‥はしない。

いつも通りの半ば諦めに近い。



師匠「それはお前が見えていると思っているだけで、

実は見えていないのが自覚出来ていないんだよ。

脳が補完する為に偽物のデータを作ってるんだよ」


師匠がワザと消えない動きで暫く動く。

「自分の眼球が動いて追っているのが分かるか?」


そして消える動き(螳螂拳バージョン)で動いて見せる。

「今、眼球が動いていないだろう?、

俺がお前の眼球見てるから分かるんだよ」


言われて漸く気付いた!、


確かに『消える動き』を使われた時には、

自分の眼球が動いていない自覚がある‼︎


師匠「目玉が追うことを諦めて、

脳味噌で動きを勝手にCG合成して作っているんだよ(笑)」


そこで更に驚く事を伝えられる。


師匠「見えないので避けられないという問題じゃないんだ!、

そこじゃない!

見えない攻撃でも本来なら防御出来る筈だよね?」


昔、師匠が知人のY先生の所の護身術の練習会に行った時に、

『暗闇での暴漢の制圧訓練』を練習した事があり、

知識と練習を上手く使えば、

見えない暗闇でも攻撃を防御して、暴漢を制圧出来る事が明らか。


他にも詠春拳では、目隠しの状態で対人練習をするカリキュラムがキッチリとある。



では、何故今回のこれは当たって仕舞うのか?、


師匠「脳が勝手に補完CGを作って仕舞うのが問題なんだよ、

戦闘中に脳のリソースがそっちに使われると、

本来の防御に使う脳のリソースが全部持っていかれちゃうんだよ(笑)」


だから『武術の消える動き』は当たるんだと言う事であった。


実は、大分昔(14〜15年ぐらい前)にこの動きを動画サイトにアップした事がある。


その時の多くの反応は、

「踊りじゃん(w)」

であった。


その反応に師匠の感想は、

正直ホッとしたらしい。

大サービスで本当なら見せたくない様なレベルのモノを映像で出した。

知られて惜しいが、


師匠「一人で富(?)を独占してると運気が落ちるから、その予防策だったのさ♪」


との事。

師匠が好きな言葉は、

1978年製作の映画

『スーパーマン』のレックス・ルーサーの台詞、


『戦争と平和』を読んで単なる冒険譚だと思う人もいれば、チューインガムの包装紙を読んで宇宙の秘密を解き明かす人もいる


だそうである。


因みに私が武術話を投稿するのは、


『武術は、文化であり、生き物であり、

自分を次世代に伝える者を選ぶ』


と言う師匠の言葉より、

こう言う内容を私が書き残す事で、

次世代への情報伝播への役割をして、

少しでも武術に選んで貰える為の、


武術と言う生き物へアピールする為である。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] kuro-obi worldのチャンネルで松濤館空手の中達也氏がデモンストレーションしている反応出来ない手刀と同じような感じでしょうか?
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