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武術覚書  作者: asada11112
145/187

145 番外編 鳥の姿の何か



番外編:鳥の姿の何か(10年前の話)


武術の練習が終わって、夜の公園でのだべりタイム。


霊能者のKさんも参加している。


当時生徒だったMさんも残って話している。

(『135 三角の家』に出て来たMさんと同一人物です)



Kさんが、暫しMさんを見つめて、


K「M君、呪いが掛かってる」

と言った。

基本、怖い系の話題が苦手なMさんは、

もの凄い怖がっていた。


Kさんの話では、

Mの体内に黒い何かの塊が入っているという。


K「え?‥‥なんだこれ?」

私「どうしました?」

K「引っ張り出したら、小さな鳥の形をしてる」

M「鳥‥‥ですか?」

K「式神みたいなものだと思うけど‥‥」

私「どんな鳥ですか?」

K「アニメの『カリメロ』に似てる。

カリメロから頭に乗ってる卵の殻を取った感じ、

脚が細くて長い」


Kさんが眉を顰める。

K「あ?!、コイツ返しやがった!」

私「返した?」

K「捕縛しようと霊力の縄を掛けたら、光って縄を霧散させた!、まるで映画みたいだ!」


この時、

魔物『無駄だ、お前の術とは【理:ことわり】が違う』

と言って来たという。


K「ちょっと待てよ‥‥コレも駄目、コレも駄目‥‥」


幾つかの捕縛の呪術を掛けて行く、


K「少しだけ掛かった!、ドーマンセーマンの五芒星と円形の組み合わせ!」

少し考えて、顔を上げるKさん。


K「解った!、魔法陣の形だ!、コイツ、式神じゃなくて西洋の悪魔だ」

私「西洋魔術の呪いが掛かってるんですか?」

K「そういう事になるわな。理が解っちゃえばこっちのもんだ。」


Kさんは、

円形、五芒星、六芒星等、

西洋魔術でも通じる図形を何重にも掛けて魔物を縛る。


K「よし!、捕まえたからコレは俺が貰っても良いよな?」

とMさんに聞く。

怖い系の大嫌いなMさんは、

どうぞどうぞ持っていって下さいと快諾。



M「ところで、僕になんでそんなものが掛かってるんですか?」

K「誰か知り合いに掛けた人がいる」

M「どういう事ですか?」

K「高校生ぐらいの時に、彼女いたでしょ?」

M「はい、いました。」

K「バレンタインの時に、チョコ貰って食べなかった?」

M「貰って食べました。」

K「それに髪の毛が入っていて、多分黒魔術の儀式でもやったんだと思う」


顔面蒼白になるM

M「黒魔術ってそんなに簡単に掛かるもんなんですか?」

K「普通なら効果は出ない筈なんだけど‥‥

その彼女の前世が魔女だね。だから掛かった」


魔物から、魔術を掛けた人間をたどり、

魔術成立させた原因である前世の魔女まで視えたという。


多分、本屋で買った簡単な『おまじない』の本をやったのだろうとの事、


翌週も、武術の練習会にKさんが遊びに来たが、

彼の胸元に変わった形のペンダントが下がっている。


K「これ?、『ソロモンの鍵』って言うやつ。

西洋魔術にも対応出来るように知識つけたから、

これであの時捕まえた魔物も使役出来るようになった。」


私「使役出来るって事は、あの魔物の正体が解ったんですか?」

K「そう、ネットで画像調べたら、アレはソロモンの72柱の中のストラスって悪魔がそのままの姿だった。

大きさから見てその眷属。」




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― 新着の感想 ―
[一言] おまじないの本って魔術研究家が監修してて、魔術の零落したものだったりするから、儀式をやり通す強い想いを持ってる人がやると中途半端に掛かったりするんですよね。
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