120 武術のロマン技③ー界王拳その2
武術のロマン技③ー界王拳その2
そして此処からは、『教えてくれる』師匠の本領。
私たち生徒にやらせての実験。
方法論を確立させた金剛搗碓の型を指導。
色々な倍率の生徒がいた。
1.5倍ぐらいから、太極拳が苦手で1.2倍程度の生徒まで。
私は元々太極拳が向いている体質で元から一番多く金剛搗碓をやりこんでいた為、一番上手く出来た。
金剛搗碓を行う。
次いで横から同僚に衝捶を打ってもらい、
それに攔札衣の使用法をかける。
ーーアッサリと同僚は転がる。
同僚「立身中正が全くブレなかった」
師匠「お前の限界の二倍が出ている」
との事。
驚いて、喜んで、何度も試す。
当然同僚も試して効果が出ているが、
生徒内で一番太極拳に向いた体質の私の二倍がその時の一番高い倍率で有った。
で、現実はそう甘い事ではないと後に解る。
翌日から謎の体調不良。
しかして私には見当がついた。
ドラゴンボールの対ベジータ戦で二倍が適正値だった悟空が四倍界王拳を使った。
その後に悟空は四倍を使った反動で激痛にのたうちまわった。
いわんや普通の人間である自分はどうなるかは明らか。
自分の身に起きているのは間違いなく『心意把の秘密』が原因だと予想がついた。
『インナーマッスルの筋肉痛』
取り敢えず、
田七人蔘を酒で流し込んで安静にして様子見。
と言っても仕事は休めないのでかなり苦しい。
火曜日に習って、水曜日に体調不良。
木曜日に薬を飲んで、
次の週の火曜日に漸く回復。
昔、『武術』誌のインタビューで、
心意把の伝承者の徳健和尚が、
『失敗すると病気になって危険だから秘密になっている』
と言っていた理由はこれかと解る。
太極拳は、金剛搗碓の後に『健康法を兼ねた』太極拳の型があるのでまだ良いが、
心意把では、その一つの型を延々と繰り返すので、
洒落にならない事態になるのだろう。
もう一つ、
練習会の直前に何度か金剛搗碓をやって、
これで練習会の時にうまく行くのではないかと思ったら、
最初だけは調子が良く言ったが、
後半完全に『功夫が燃料切れ』を起こし、
何をやっても駄目出ししか出なくなった。
翌週に、それをやめたら普通に戻ったと言う‥‥。
上手い話は無いものである。




