参ノ話 侵入者
うげぇ、ちょっと酔ったかも。
「大丈夫か。すまん、ついかっとなってしまった。許してくれないか?」
「冥龍様、別に構いませんよ。」
「そうか。なら良かったが。お主、魔力酔いしとるぞ。」
だから、気持ち悪いのか。
「ここら辺を探索するかの。」
「冥龍様、少し待ってください。『ヒール』!!」
「回復技を使ったのか。まあ良い判断じゃ。」
「う~ん?何の声だ?」
「どうしたのか。」
「誰かの声が聞こえた気がするんですが、」
「おかしいのを?ここに来る者をめったにおらんのじゃが。」
「あっちの木の方から聞こえるんですよ。」
「誰か確認して来よう。」
誰だろうか、この山は危険すぎるので入ってくる村人は居ない。
「うふふ、あの人ですね。冥龍と共にいる危険人物兼能力者はどんなものか実力行使してみましょう。 スペルカード発動『永久の焔』」
「なんだデカイ炎の塊がこっちに来るんたが!」
「あれは気をつけろ。スペルカードだ。」
「どうすればいいのですか?」
「お前さんの能力でやってみろ。」
カシャン
俺は1つの太刀を造り出した。
火球が目の前に来たので、避けると、大爆発が起きた。
「避けるとは、もう少し威力上げますか。」
その後、何個もの火球が飛んできたので、太刀を振るった。
「威力は良いのに、これだと爆風攻撃も出来ねえよ。」
「何なんですか。私の最強スペルカードを使ったにもかかわらず無傷なんて!どういう事!?というかあの能力者はどこに行ったのですか。」
俺はというと攻撃の準備をしていた。
「5」
「次は何をする気ですか!」
「4」
「なんですか。カウントダウンしないで、早く攻撃しなさい!!」
「3」
「本当にどこに行ったのですか!」
「2」
「何をしても無駄ですよ。返り討ちして差し上げますよ。」
「1」
「来ないならこっちから行きます。」
「0」
ぐしゃあ
「ふぁ~?」
驚くのも無理はない。何もない所から急に俺が現れ、太刀で腹を突き刺したのだから。
「反応が遅すぎ。俺は冥龍様に仕えている者だ。冥龍様に手を出したら負けると思え。」
ぴちゅーん
俺がそう言うと女は消えて行った。
「残機があるだろうし、大丈夫だろ。」
っていうかあの女は何をしに来たんだ?
「どうじゃった?」
「強い相手ではなかったですね。」
「それじゃあ、帰るとするか。」
「はい、冥龍様。」
「そうじゃあ、ずっとお前さん、お前さんっていうのも飽きたし、名前を付けてやろう。」
「ほう、それはありがたき事でございます。冥龍様に名を付けてもらうとは私も嬉しゅうございます。名はなんと付けるのですか?」
「そうじゃあのを~。───すまん。また今度で良いか?」
「そうですか。わかりました。私の名はどうなるか、たのしみにしておきます。」
「うむ、楽しみにしておくのじゃぞ。」