オリオンシステムとは
その時、白かった地面一面が草原になった。
そして、目の前から次々に青い花が咲いていく。
それはあたかも青い絨毯のように一直線に、延びて行く。
青の11番から青い花の絨毯がずうっと先に伸びた。
その先に、玉座が見えた。
「クリス!」
玉座にはクリスが座っているようだった。
ローヤルとスウはゆっくりとクリスに向かって歩き出した。
いつの間にか、青い花の絨毯の周りには人が集まって、二人を笑顔で迎えていた。
「実物?」
「いや、多分ホログラム、立体映像だ。」
ローヤルは応えた。
「それは違うわ。」
いきなり、二人の頭のなかに言葉が響いた
「クリス」
「彼らは、オリオンのメンバーよ。かつて、いた、偉大な先人達」
「エーミ!」
スウは二人に手を差し出している女性をみて、言った。
ジパングの初代女王だ。
「ようこそ、オリオンへ」
ローヤルは差し出された、手を握り返した。
実物だった。
その横は、第二次コクリン騒動を抑えた、マックリンガーがいた。
「キア王子!」
そして、その横にはなんと、キア王子がいた。
「良くここまで来たな、ローヤル、そして、スウ」
「何故、あなたは暗殺されたのでは」
スウが聞いた。
「そう、私は暗殺された。ここにいるのはオリオンシステムに取り込まれた、亡霊と言った所かな」
キアは肩をすくめた。
「亡霊?」
「言葉ではいえないけど、オリオンシステムは、今までの偉人の考え方を取り込んでいるの。そして、その皆で協力して、王を選んでいるのよ」
クリスの声がした。
いつの間にか、ローヤルとスウはクリスの前にいた。
「スウ・アゾレス。ここまで良く来ました。今回のキア王子暗殺事件において、ローヤルの救出劇、脱出口における活躍は賞賛に値します。よって王女に任命する」
「王女に?」
スウには信じられなかった。13歳で王女に任命されるなどほとんど無かった。
優秀の誉れ高いキリーでも20歳で、やっと王子になったのだった。
「事件は人物の成長を早める。この王女のペンダントを授けよう」
キアが金色に輝く、球状のペンダントを渡した。
良く見るとジパングの主星パルミールを中心に銀河系を模していた。
「そして、ローヤル・カワキ。今までいろいろご苦労だった。」
クリスが言った。
「キア王子の下で学んだ事。今回の暗殺事件に対する処理能力。まだまだ、足りぬことがあり、私の手を煩わせたことが、マイナス要因だが、もともとの手違いはこちらにある。ローヤルカワキを王子に任命する。」
「王子に?」
ローヤルには何のことだか全く判らなかった。
いままで、ロイヤルファミリーでもなかったのだから。ロイヤルファミリーにならずにいきなり王子になった例等聞いたことが無かった。
「元々、我々は10歳時に、貴様をロイヤルファミリーに任命しているのだ。」
クリスは言った。
「それをレイアムが止めて、自分の娘をロイヤルファミリーにした。」
「・・・・・」
まさか、ユリアの代わりが自分? いや、自分の代わりがユリア? ローヤルには良く判らなかった。
「そこで、キアに命じて、貴様の教育を担当させていたのだ。」
「ローヤル、一兵士として、いろいろ苦労をかけた。」
キアが言った。
「君にはスウと同じ授業を施してきた。それは君がロイヤルファミリーだからだ」
「その邪魔な貴様を消すために、今回の事件が仕組まれたと言う面もある。それに気づかなかった貴様のミスではあるが、ここまで、私の助けを借りはしたが、生きて到着できたことは王子に値する。」
「待てい。」
大声が響いた。
そこには兵士の大群を後ろに控えたレイアム伯がいた。




