XDAYマイナス7日 エクササイズ
「くっそう、また、負けた。」
シミュレーターの席からローヤルが叫んだ。
これで、スタッドと11連敗だ。
「ははは、やはり、元の能力が違いすぎるのだ」
スタッドが高々と宣言した。
オリオンへのワープ中は10日ほど、外にでるわけには行かないが、機動歩兵オリオンのシミュレーターを積み込んで、スタッドと対戦していた。
しかし、武器を積んでの実践をほとんどしたことが無いローヤルに比べて傭兵部隊で実戦経験の豊富なスタッドではいくら、運動能力が高くても、話にならなかった。
「何やっているのよ。いい加減に勝ちなさいよ」
スウが言った。
「なら王女、一度されますか。」
ローヤルが聞いた。
「いいわよ。やりましょう。スタッド」
「失礼、冗談ですよ。」
慌てて、ローヤルが言った。
ローヤルでさえ負けているのだ。ローヤルより、数段落ちるスウが出来るわけは無いとローヤルは思った。
「俺は2対1でもいいぜ」
スタッドが余裕で言った。
「上等じゃない。」
ローヤルの横のシミュレーション席に着いたスウはスイッチをオンにした。
ローヤルがやっているのを見て、やり方は判っている。
機動歩兵の操縦の腕前も、ある程度は出来るはずだった。
一気にスタッドに向かって、急加速をかけた。
「スウ無茶だ」
ローヤルは慌てて、急加速をかけて、追いかける。
スタッドがスウの機動歩兵に狙いをつける。
ローヤルがスウ機をかばう形で入り、ブラスターを撃つ。
スタッドが撃つのとが同時だった。
「えっ」
光点が二つ光った。相打ちだった。
スウをかばった、ローヤル機が爆発するのと、スタッド機が爆発するのが。
「残ったのは私だけ、私の勝ちね」
スウは笑っていった。
スタッドは初めて、ローヤルと相打ちになったことに、ショックを受けていた。
手加減したつもりは無かったはずだったが、
「さすが姫様、操縦がうまいですね。」
スタッドは動揺を押し隠しつつ、ほめた。
「ふふっん、負けは認めようね。」
「負けじゃない。相打ち。姫を撃つ訳には行かないでしょ」
「ちゃんと撃っていたぜ」
言い訳するスタッドにローヤルが言った。
「それは、もう一度あててから言いな」
「ようし」
二人はまた、シミュレーションを始めた。




