クリスの正体
「来るのが遅すぎるわ。それに、何故シングルナンバーの腕のいい者を連れてこなかったの」
「何だと」
スタッドは憤った。
「クリス?」少し、考えるようにボストンは言った。
どこかできいた事がある名前だ。とボストンは思った。
「スタッドはナンバーは20番ですが、伸び盛りの若者です。腕はシングルナンバー級ですよ」
「しかし、未来のロイヤルファミリーを迎えに来るにしてはお粗末ではなくて」
その言葉にボストンは驚いた顔をした。
「あのクリス。フルネームをお教えいただけますか」
「クリス・マッキンレーよ」
「クリス・マッキンレー・・・・オリオンシステムを創めた・・・」
ボストンが驚いていった。
「オリオンシステムを創めた!?」
「どういう意味です?」
ローヤルとスウが訊いた。
「思い出した。今のオリオンシステムの創始者の一人にクリス・マッキンレーと言う名前があった。」
ウエムラが言った。
「でも、1000年も前の話だろ。」
コンドが訊く。
「あら、もうばれてしまったの。」
クリスは舌を出した。
「あなたはその子孫の方ですか。」
スウが訊く。
「正確に言うと違うわ」
クリスが応える。
「本人よ」
「本人って、1000年もたっていますよ」
スウが驚いて訊いた。
クリスはいたずらっぽく微笑んだ。
「本来は出てくるべきではないんだけど、今回は緊急事態だから。」
肩をすくめた。
「緊急事態?」
「そう、オリオンシステムはキア王子が暗殺された事態に大変な危機感を感じているの。
本来は彼に未来の王子と王女を育ててもらうはずだったから、」
「未来の王子と王女?」
「そう、この戦乱の時代をまとめていく素質を持った王子と王女を育ててくれるはずだったのよ」
クリスはローヤルとスウの方を見た。
「でも、そのキアが亡くなってしまった。これ以上ほおって置くわけには行かないと思って出てきたのよ」
クリスはゆっくりとボストン博士の方へ歩いた。
「でも、オリオンシステムは実際に出てきて考えを変えました。過保護はしないと」
ボストンの前で歩みを止めた。
「ボストン博士。フォローはあなたにお任せします。私はオリオンにて待っています。」
そして、体の向きをローヤルとスウの方へ向けた。
「ローヤル・カワキ。スウ・アゾレス。オリオンにいらっしゃい。そこで全てお話しましょう。」
そういうと、クリスは周りの空間を揺らして一瞬で消えた。




