オリオン一撃
ガラスが砕け散る。
そして、ローヤルは地上2階から、飛び降りて、途中で回転して、足から着陸した。
その前には、頭から地面に突っ込んで立ち上がれない、オリオンの機体があった。
「何をやっているんだ。やっぱり、スウにはまだ無理だったかな」
ローヤルは慌てて、オリオンに駆け寄って、コクピットの横の入口から入った。
「遅いわよ」
クリスが言った。
「君はだれだ」
ローヤルはみた事が無い子供が乗っていて驚いた。
「私はクリスよ」
「クリス?」
ローヤルはスウをみた。
「良く判らないんだけど、オリオンの前にいたの」
「ローヤル、機動歩兵が2機来たぞ」
下の仮設の席に座っているウエムラの声が響いた。
「スウ、操縦を代わろう」
ローヤルはクリスの事は後にして、スウと操縦を代わろうとする。
スウが席を空け、ローヤルが座る。
そこに近距離で爆発したミサイルの爆風と振動が、オリオンを襲う。
スウは座ったローヤルの上にショックで叩きつけられた。
「げっ」
「スウ、つかまってろ」
ローヤルはスウを乗せたまま、立ち上がらせた。スウは振り落とされないようにローヤルの胸にしがみつく。
左手から、ビームサーベルを振り上げて、ノーザン連邦の軍事企業バゲージの新製品ベリアルが、切り込んできた。
キリーのと同形機、である。次期、ジパングの新規機動歩兵に採用されるであろう、新鋭機とうわさされていた。
ローヤルは、ビームサーベルを抜きざま、その剣を受けようとしたが、あまりに早く動いたので、相手の切り込みより早く、胴を切り裂いていた。
「えっ」
あまりに早く動いたので、ローヤルは慌てて、たたらを踏んで倒れるのを防ぐ。そこへ残ったもう一機が踏み込んで来た。
その腕の部分をサーベルでたたつ切る。
相手の機は仕官大学の格納庫へ倒れていった。
ローヤルはオリオンがあまりに早く動いたので、呆然としていた。
その膝の上で、赤くなって、スウが座っていた。
「クリス、少しつめて」
「狭いのいや」
と言うクリスを持ち上げて、椅子に座りクリスを膝の上に座らせる。
「どうしたんだ、いつもに比べて動きが軽すぎる」
「私がリミッターをはずしてあげたのよ。」
クリスが自慢げに言った。
「君が・・・リミッター?」
「そう、ボストン博士が訓練用に規制をかけていたのよ」
「規制?」
「そう、動きをトロクしていたの」
「何、それで俺はキリーに負けたのか?」
きっとしてローヤルは言った。
「当たり前よ。このオリオンはフレクスの造った最強の機動歩兵よ。普通の腕でも、ベリアルなんかに負けるわけは無いわ」
「そうだったのか。そのおかげで皆にどんなに馬鹿にされた事か。」
ボストン博士に会ったら、苦情を言ってやるとローヤルは心に決めた。




