オリオン胎動
「姫、来た。」
テレビをみて、ウエムラが言った。
「了解。オリオン発進」
格納庫の扉を押して、オリオンは外に出ようとしたが、足がもつれて、倒れこんだ。
「きゃー」
シートベルトをしていなかった、ウエムラとコンドは椅子から投げ出される。
そのまま、倒れた勢いで、仕官大学と王立大学の間のフェンスを叩き壊す。
防御用の電流が流れていたが、あっという間に、フェンスは壊れてしまった。
図書館もすぐ傍なので、衝撃が伝わる。
「国家反逆者の皆様のおそろいですな」
ローヤルは動ぜずに言った。
「今回の改革派を一気に殲滅しようというたくらみ、よく出来たと、ほめてやりたいが、はめられたほうとしては、喜んでばかりはいられないのでね。」
「嘘ばかりつくな。」
兵士は銃を構えた。
「どじ、だから下手な奴が操縦桿握ったら、ダメなのよ」
クリスの叫び声を無視して、
何とか、立たそうとするが、思うように操縦できない。むちゃくちゃ操縦桿が重いのだ。
「重すぎ・・・」
「ええい、貸して」
横からクリスも操縦桿を動かそうとするが、びくともしない。
「何これ、そうか、リミッターがかかっているのね。
教育用の。そんなのはずしてあげる」
クリスが指を鳴らすと、スウが持っていた操縦桿は途端にとても軽くなった。
軽くなりすぎて、頭から地面に突っ込む。
衝撃音がまわりに響いた。
「キア王子暗殺ならびに国家反逆罪で逮捕する。」
「何を言っていやがる。そっくり返してやるよ。今回の国家反逆罪ならびに、横領、キア王子暗殺容疑。オリオンは見通しているぞ」
「何だと」
周りの兵士の銃を持つ手に力が入った。
「では、ユリア姫、おすこやかに」
ローヤルはユリアにお辞儀をした。
「むちゃくちゃきざ」
わざとらしい、リアクションに嫌悪感と嫉妬のこもった目つきでスウが吐き出した。
「動くな」
兵士が叫ぶと同時に
同時に、白い爆発音が、回り、一面に立ち込める。
「なんだ。」
「どうした」
兵士たちが慌てふためく。
周りに配置した、煙幕がいっせいに爆発したのだ。
それと同時に、ローヤルは横の窓に頭から飛び込んだ。




