始動
王立大学の中は人とおりはそんなに無かった。
もっとも、出入りは、キア王子の暗殺事件のあった後だけに、厳戒を極めたが、
ローヤルはウエムラのくれたニセの通行証で、あっさりと入れた。
グラサンに、かつらをかぶって誤魔化したが、なんとも、いい加減な警備網だった。
ローヤルはユリア姫がいると思われる、図書館に入った。
いつもユリアのいる一角にユリア姫はいた。
相変わらず、綺麗だなと思いつつ、回りの護衛を探す。
周りを見たが護衛らしきものはいなかった。
これが怪しい。
絶対いるはずだった。
影でモニタリングしているのだろうか。
周りをゆっくりと見る。
ユリアの他は、小学生くらいの二人連れしか見えない。
もっとも、オープンスペースなので、壁の影に隠れていると判らないが・・・
ローヤルは、図書館の壁掛け時計を見た。
時計がプルッと震えて、「ピポっピポっピポ」
はと時計よろしく、立体のはとが現れて、鳴いた。
本来はありえないことだが、ウエムラが遠隔操作したのだろう。
合図だ。
驚いて時計をみているユリアに
ローヤルはゆっくりと近づいた。
「よし、作戦開始。」
ウエムラはスイッチを入れた。
オリオンの操縦室の下のサブ操縦室に椅子を急造して、ウエムラとコンドは立体テレビ網をみていた。
その瞬間、全ての立体テレビが図書館の画面に切り替わる。
ウエムラの究極の仕掛け、
電波ジャックだ。
前々から、テレビ局に仕掛けておいた、切り替え、プログラムが、いっせいに動く。
「よし、うまくいった。」
何十面のテレビをみていた、コンドが言った。
全て、ローヤルとユリアの画像に切り替わる。
ローヤルはゆっくりとユリアに近づく
ユリアは後ろの気配を感じて振り返った。
ローヤルがかつらとサングラスを取った。
「ローヤル」
ユリアは立ち上がった。
「姫。」
ローヤルは会釈をした。
「今回の件は一体どうなっているの」
「ノーザンと情報局にはめられました」
「ノーザンと情報局に?」
ユリアは少し首をかしげた。しかし、すぐに
「それが本当なら、直ちにお父様に言って、何とかしてもらいましょう」
ローヤルは首を振った。
「レスター伯も今回の件にはかかわっていらっしゃいます。」
「父がかかわっている?それはどういうこと」
「嘘をつくな、反逆者」
後ろの扉が開いて、兵士が銃を構えて、入ってきた。
制服の色は黒。情報局特殊部隊だ。




