ローヤルとスウ
その頃、剣技室では、ローヤルとスウが、剣を構えて、対峙していた。
スウは上段に構えて、一気に間合いを詰める。
そして、切り込んだ。
その速さ、到底女とは思えぬ速さだった。
しかし、一瞬でその剣をかわすと、ローヤルの剣がスウのわき腹を強打し、スウは弾き飛ばされていた。
腹を抱えて、スウがうずくまる。
「大丈夫ですか」
ローヤルは少し慌てて、駆け寄ると、
「隙あり」
とスウが剣を払ってきた。
一瞬で剣の柄で受ける。
「ちっ、うまくいくと思ったのに」」
スウは舌打ちをする。
「王女、卑怯ですよ」
「戦いに卑怯も何も無いと教えてくれたのは、ローヤルよ」
「なるほど、では参りますよ」
スウの剣をはじくと、剣を一瞬で突きに構えて、スウの胸のプロテクトを突いた。
プロテクトはあるが、相当なショックはあるはずだ。
スウは、弾き飛ばされていた。
今度はびくとも動かない。
しかし、怪しいんだよな。とローヤルは思う。
手加減はしてある。
姫、今度はその手は食いませんよ」
用心して近づきつつローヤルは言った。
「立ち上がれない。ブリッジまで、連れて行って」
スウがわがままを言った。
スウ・アゾレス13歳。伸び盛りの王女だ。正式には、ロイヤルファミリーの一員だが、まだ、王女ではない。
7歳で、選抜された、者がスクールに入り、12歳で、卒業、王子見習い、ないし、王女見習いとなる。
当初選抜されるのは、200人くらいだか、ここまで、残るのは1桁くらいしかいない。
新貴族といわれる、国会議員や、大企業の親族以外で、久々に残った、平民でのロイヤルファミリーである。
両親は、小さい雑貨屋をやっているそうである。
ロイヤルファミリーの中学に通う傍ら、今回、キアが特別に選抜して、巡視に同行させたのだ。
対するローヤル・カワキはそんなロイヤルファミリーには選抜されず、中学から、士官学校に入り、奨学金で仕官大学に入学した、これま
た、平民での珍しい、部類に入る。その能力をキアに見出されて、現在、キアの住居に世話になっている。
「はいはい」
ローヤルはやむ終えず、スウを抱き上げた。
「えっ」スウは、本当にローヤルがするとは思わずに真っ赤になった。
「元気になったから、おろして」
慌てて、飛び降りるような勢いで、ローヤルの腕から逃れる。
逃げるように、部屋から出て行った。
「まだまだガキだな」
そういうローヤルの腕の中には、スウのぬくもりが残っていた。




