若い王子と王女の伝説の始まり
金持至上主義のはびこる廃退した世界
平等な世界は滅び金持がはびこる世界が到来しようとしていた。
その中平民出身の王子と王女の物語が始まる
過去、未来、現在より、いつの日か、定かでないが、とある銀河にジパングという国があった。
主星パルミールを中心として、半径2000光年、昔は、全銀河を統一していたこともある。
その統治システムは、オリオンシステムと呼ばれる、選抜王政。
全ての国民をオリオンと呼ばれるスーパーコンピューターシステムで王にふさわしい人物を選抜し、教育し、王にしていくシステムである。
近年は、金持ちや政治家の2世が選ばれる、率が高くなり、
選抜王政も名ばかりと、口の悪い人間には言われている。
また、経済状況はノーザン連邦系の外資企業の進出にジパングの経済界は浸食されつつあり、
また、新興国家の台頭で、3流国家に落ちようとしていた。
そんな苦しい状況の中、平民より選ばれた王と女王の物語が今始まろうとしていた。
キア王子専用、戦艦、ザンバルジアはゆっくりと主星、パルミールに迫りつつあった。
「ザンバルジア、こちらメイン管制官、キルアです。自動誘導システムに切り替えてください。」
「ザンバルジア了解しました。直進。」
「自動操縦システム電波、キャッチ、自動操縦切り替え準備完了」
「自動操縦に切り替えます」
操縦席では、オペレーターと操縦士の間で、言葉が交わされていく。
キアはメイン画面に大きく写っている惑星パルミールを見ていた。
各地巡業を終えて、半年振りの帰還になる。
帰ったら歓迎の式典関係で、また1週間くらいつぶれるな、と憂鬱に感じつつ傍にローヤルがいないことに気づいた。
「ローヤルはどうした」
書記官のキョウカに尋ねる。
「さあ、また、姫に捕まっているのかもしれません」
キョウカは苦笑した。
「もう、大気圏突入すると言うのにか」
「姫としては、剣術でローヤルに勝てないのが、どうしても許せないらしくて。何でしたら、呼び出しましょうか」
「いやいい、着陸までには、顔を出すだろう」
キアは手を振った。ま、姫の向上心が強いのはいいことだ。
しかし、ローヤルの剣技は、達人と言われている、ヨビト老に仕込まれたものだ。そう簡単には、姫も追いつけまい。
この半年、各地巡視の合間にアゾレス姫の教育という名目の元、ローヤルをつけてきたが、ローヤル自身の勉強にも、なったはずだ。
「そろそろ次のステップを考えねばなる巻いて」
思わず独り言が口から出ていた。
「何を考えられるのですか」
キョウカが聞き返して来た。
「いや、独り言だ。」と断りつつ、「パルミールに付いたら、ボストン博士に連絡を取ってくれ。
また、会いたいと」
「了解しました。」