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※ちょっと短めです、ごめんなさい
私は心底沈んでいた。その理由はもちろん、私の結婚相手がクラウスじゃなかったから
いや、相手を選んだのは神様だから、神様にいちゃもんをつける気にはならないけど・・・・
クラウスが結婚相手になるかなんて、私が分かるわけないんだけど、もしかしたらって思っちゃっただけなんだけど・・・・
そんなけどけどを繋げていって段々ネガティブになっていた私は、お披露目用のドレスを着たまま、ベッドにボフッと倒れこみ、愛用のふかふか枕をギュッと抱きしめた
ついこの間、クラウスのこと想わないようにしようって心に決めたのに、何を考えてるんだろう・・・・・
私は、ネガティブ思考とそんな気持ちを振り払うかのように、起き上がって顔を振り、普段着に着替えるため装飾品を外し始める
一通り外し終え、宝石箱に手をかけて、ふといつも着けているネックレスに目をやった
私がおしゃれに芽生え、城外へクラウスを連れて行ったとき、クラウスが買ってくれた物だ
私の目の色と一緒だといってくれた、やや大粒のエメラルドが、私のなきそうな顔を反射して映す
輪私はそのエメラルドの部分を大切に扱い、自分の手のひらに乗せてそのままじっと見ていた
買ってきてくれたときは片手じゃ大きすぎて持てなかったのに、今じゃもう、片手で持てるぐらいになってしまった
ああ、私も年を取ってしまったんだなぁって一度思えば、目からなぜか涙が一筋流れ出ていってしまう
その現状になんとも言えず、ただボーっとしていれば
「失礼します、ドロテア様」
コンコン、とノック音が聞こえてハッと我に返った私は、ネックレスとほかの装飾品を元の場所へと戻し、急いで涙を拭いてドアの前に居るはずのマリアに、部屋に入るよう指示したのだった