あとがき
どうも、投稿者兼作者のW06です。
本小説の本編に相当する部分は昨日無事ハッピーエンドを迎えたわけですが、活動報告でも予告していた通り、需要皆無な作者の後書きが最後の最後を飾ることになります。
お時間に余裕があり、流し読むだけでもしてやるか、と思って下さった方はもう少しだけお付き合い下さい。
それでは改めまして、『オーバークロックプロジェクト-YESTERDAY』を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
この後書きでは何が語られるかと言いますと……正直なところ、これを書いている今現在一切考えておりません。
現在は……二〇一五年三月十一日水曜日午前三時四十分ですね。今これを書いているノートパソコンの右隅にあるデジタル時計で確認しました。間違いありません。あ、いつの間にか何分か経ってる。どうやら意識が飛んでいたみたいです。
というわけで、朦朧とする意識の中、目がしょぼしょぼする思いをしながら、もはや眠気が晴れてきて朝食の時間まで起きていようかと思い始めた頃、この後書きを書いております。誰がどう見ても深夜テンションにその全てを任せている所存でございます。
さて、私は何でこんな時間まで起きているんでしょうか。疑問符を付けるとこれを読んで下さった方に『そんなこと聞かれても』と困らせてしまうと思いますので、あえてつけません。
ああ、そうでした。つい数分前まで、先日ネットで購入した中古文庫本を読み漁っていたんでした。一冊あたり百~二百円程度で送料不要。数日前に古本屋で購入したものに続く形で、あるシリーズものの三~十巻までをまとめ買い。ついでに、続きを読もう読もうと思って買っていなかった同じ雷マークの出版社の文庫本を三冊程度。
『み●ま●』なるものと『●●ラララ!!』なるものですね。片方は分割三クールのアニメが放送され始めてますね。もう片方も凄く面白いのでアニメ化してほしいんですけど、むしろ小説で完成されている気がするので、このまま永遠にアニメ化しないでもらいたいところですね。嘘だけど。
さて、私の人格どこかの小説の主人公に乗っ取られないうちに、そろそろ後書きらしいことを書きたいと思います。
何となくそんな気分になったので、唐突にネタバレします。本小説の内容は、去年の三月後半には九割型完成していました。嘘じゃないですよ? 前作『Time:Eater』の連載が終わったのが三月二十二日で、数日経ってから構想を練り始めたので、実質的には一週間程度でしょうか。
だから何だという話ではありますし、他のなろう作家の方々や小説執筆で生計を立てている方々が小説の構想やプロット製作にどれくらい時間をかけているのかは知りませんが、作者的には比較的早かったんじゃないかと。何といっても、前作『Time:Eater』の構想には何だかんだで半年くらいかかった気がしますからね。ただ、その半年の最後のほうしか本気を出してません、とあらぬ言い訳をしてみたり。
この辺りで過去(前作執筆期間中)の話を振り返るのは終わりにしておきましょう。私が書いた小説はどちらもオチにそれが関わってくるというのに、終わりにしておきましょう。一応理由はありますが、書かないでおきます。
二話前の人物設定にある天王野葵聖の項目でもちょろっと触れたのですが、本小説で一番最初に人物像が出来上がったのは天王野葵聖という少女でした。
表面は無口で人間関係が皆無に等しいのに(ただし主人公たちとは友だち)、物語を内側から引っ掻き回してくれる存在。加えて、起こりうる大半の事件に関係していて、第二の被害者(第一章)。そんな感じで一つずつ必要なパーツを当てはめていった結果、出来上がったのは無口で狂気なロリっ子でしたというお話です。
無口+物静か+人見知りという属性を確立させるために台詞の前に『……』を入れ、他人を物か何かとしか思っていないように見せるために人物をカタカナで呼ばせてみたこともあって、内容としては大したことを話してないのに文字数だけは掻っ攫っていく人物でもありました。
そういうことも関係して(いるのか?)、本小説では非常に使い勝手のいい人物に仕上がりました。とりあえず不明瞭な殺人は全て彼女のせいにしておけばそれでよかったのですから。ハハッ(建前です。ご了承下さい)。
何はともあれ、裏で列記とした意味のある連鎖的に起こった殺人事件という危険極まりない状況を作り出し、身近な人たちに殺意と明確な行動理由を与え、それでいて、劇中最多殺人賞を獲得した人物。それが、天王野葵聖だったということになります。
本編には一切関係ない裏設定もあったりなかったり。実は回収できていない伏線のうち、大半が彼女の過去や周囲に関係していたり。何はともあれ、本小説の登場人物のうちで作者的に一番愛着のあるキャラだったのではないかと思っております。
とはいっても、実はこの説明の仕方だと若干語弊が生じてしまうかもしれません。
確かに、劇中での立場や役割を確立され、キャラ立てまでされたのは天王野葵聖が最初でした。
ですが、だからといって、本小説の根源的な、中核を担う、タイトルにもなっている、一番最初に思い浮かんだシーンに彼女は登場しません(劇中ではその現場の第一発見者ですので、厳密には、私が思い浮かんだシーンには登場しません)。
そのシーンとは、第一章第一話、物語がこれから始まっていこうかというとき、早速起きた第一件目の殺人事件。そう、現実世界人格の冥加對による地曳赴稀の殺害です。
私の頭にそれが思い浮かんだ段階では、『主人公が目覚める』→『状況確認のために周囲を見回す』→『振り返ると血まみれの友だちが』→『凶器と思われるナイフもある』→『逃走』→『その友だちからメール』というものでした。
何だか、抽象的なこれらの情報だけを見てみると、いっそのことホラー(サイコホラー寄り)を書いてみるのもよかったかもしれませんね。
え? 本小説もホラー(サイコホラー寄り)じゃないかって?
どうなんでしょう。一応、『小説家になろう』様ではジャンルを設定する必要があるのでSFにしておきました(初回投稿時は推理だったりする)が、実は作者としてもよく分かっていないので、とりあえず該当しそうなものをテキトウに、適当じゃなくてテキトウに、キーワードとして設定しています。
話は戻りまして、『目覚めた主人公が振り返ると血まみれの友だちの姿があった』ってのを第一章第一話からすればインパクトあるかなーとか思い、そこから構想を膨らませた結果、今の本小説があるということになります。書いていくうちに矛盾とか気に入らない部分があって、初期案とは似ても似つかない設定・展開・結末となったわけですが、それはまた別の話。
それはさておきとして、インパクトが強そうな出だしを考えたまではよかったんですけど、さあ大変です。何といっても、最序盤から主人公の友だち(たぶん重要人物)が死んでしまったのですから。
私は自分が作り出した登場人物に少なからず愛着を持ってしまう性格ですので、『あいつはこんな奴だったよ……』みたいな思い出しパートで話を進めるのは即効で却下しました。何としてでも、この主人公の友だちを生かしてハッピーエンドを迎えさせたいと思ってしまったわけです(前作のこともありますし)。
何年も前から進化が止まっている脳味噌をフル回転させ、結局思いついたのは、世界をループさせればいいんじゃね? という発想でした。革新的でなければ、使い古されたアイデアのような気もします。でも、その発想に次いで、それなら前々から夢だった群像劇を書けるじゃないかと考え至り、構想が練られていきました。
おそらく、本小説で私が使ったトリックはいつかどこか何らかの創作物で使用されたことのあるものでしょう。現に、そのいくつかは参考までにと僅かな改変を加えつつネタの一部にさせて頂きましたし、俗に言う推理小説作家さんに比べれば全然大したことのない量の推理小説しか読んできていません。むしろ、この後書きの上のほうに書いてある通り、あまり世間様がいい印象を持っていないライトノベルばかり読んできました。
やべっ、年齢ばれるなどと自ら墓穴を掘りつつ……まあ、それでも作者が精一杯考え出したものですので、少しでも多くの方に楽しんでいただければ幸いです。表向きとか世間体とか関係なく、真の意味で心の底からそう願っております。
っと、またしても話が脱線しかけているところに修正をかけましょう。
それで、本小説で私が使ったトリックに関係することなのですが、本小説を形作る上で必要不可欠であり、物語の根幹を担うそれは、実は第一章第一話で全て明かされていたりするのです。
まず、一つ目。これはテーマにも関係するのですが、『昨日』というワード。
物語では、タイトルの『オーバークロックプロジェクト』までは明かされましたが、その後の『YESTERDAY』については明かされませんでした。一応、作者の初期構想に『昨日』というワードが大きく関わっていたからそのようなネーミングが成されたと解釈して頂ければ幸いです。もし本小説の続きを書くようなことがあれば、『YESTERDAY』の次の話だから『TODAY』になるんですかね。で、その次『TOMORROW』と。
ところで、なぜ作者の頭に『昨日』というワードが浮かんだかと言いますと……何ででしょう?
確か、去年の今頃、『次回作どうしようかなー』とリビングでぼんやり考えていた際、テレビでそのワードを見つけ、その後に何も繋がるものがなかったのに『これだ!』と思ってしまったんですね。時の運と言いますか、ただの偶然と言いますか。あの日あの時あのチャンネルのあの番組を何気なく眺めていなければ、本小説は生まれなかったということになります。わぁお。何か壮大な話になってきました。因果ってどこで絡むか分からないものですね。
それはさておき……って、何度さておくんだろう。と、それもさておき。
結果から言えば、『昨日』と言うワードをトリックに取り入れて物語を混乱させたのは、ある意味では成功だったのかなと。あれがなければ物語開始早々に主人公に殺された地曳赴稀が再び登場する要因となるループの仕組みは思いつかなかったでしょうし、そうなると仮想世界とかオーバークロックプロジェクトとかPICとか色々噛み合わなくなってきますからね。
いやはや、改めて、偶然に感謝した上で、偶然って恐ろしいと感嘆します。
いつの間にかどのような内容が書かれるか方針が決まったこの後書きですが、そろそろ終わりに……じゃなくて、一番説明しておかないといけない部分が残っていましたね。
何を隠そう、それはタイトルにもでかでかと書かれてあって、本編でも大活躍した、オーバークロック技術のことです。当時、本小説がプロットのプの字も書かれていない頃、『天王野葵聖という少女(の立場役割)』と『初っ端から一人死んでる状態』の前から作者の頭にふわふわと漂っていたのは、『昨日』『群像劇』そしてこの『オーバークロック』だったということになります。そう考えると、タイトルは丸っきりそのまんまなんですね。
それでは、毎度のことながらそのワードについて思いついた経緯をご紹介となりますが……これまた『昨日』と同様に、ただの偶然でヒントを得ました。
具体的になにでそこまで辿り着いたんだったかな……えーっと……ああ、思い出しました。
確か、『脳の処理速度を加速させて、それを題材にして物語を作るって斬新じゃね?』と頭に花を生やしながら思いついたのがきっかけだった気がします。劇中での『脳内時間を約九千倍に加速させる』というヒントを与えてくれた『世にも●●な物語』で放送された『懲役●●日』にも感謝。
その当時は『オーバークロック』ではなく『クロックアップ』だったのですが(PICがPIOではなくPICのままだったのはその名残)、ただ何となく『時間加速』よりは『限界突破』のほうがかっこいいかなーとか、ふとG●●gleで調べてみたら仮面ライダーとかが一杯出てきた思い出を通過し、『オーバークロック』に落ち着きました。それに、『時間加速』だったら『加速装置』に似た響きがあるので、主人公がサイボーグに改造される話になってしまいそうです。
まあ、そんな感じに思い出していけば思い出すほど微笑ましい思い出も苦い思い出もぶり返す『オーバークロック』ですが、それに近しいものを題材にした作品は思いのほかあるみたいですね。プロットを書いているときはまったく意識していませんでしたけど、後から後から『ああ、これも似たような技術か』と思わされる作品を思い出したり知ったりしました。
それと、二〇一五年現在で、すでにオーバークロック技術は開発されてるみたいですね。さすがに脳内時間を九千倍にするというのは実現していないと思いますし、仮想世界で『宇宙の真理』を探求しようとする精神障害経験者の高校生が現れたりしていないでしょうけど。
近い将来、プロットを書く時間が九千分の一になって、キーボードで一文字入力する時間が九千分の一になれば嬉しいですね。少なくとも私もパソコンをまだ扱えている年齢なら嬉しいですし、昼間ずっとパソコンに向き合う仕事をされている方も喜ばれることでしょう。
もっとも、そんな技術が開発されれば、劇中でもそうだったように技術の奪い合いが起きても不思議じゃないですね。まあ、それが百年後の話であれば私もこれを読んで下さっている方もすでにこの世にはいないでしょうし、大した問題ではありません。ないことを祈ります。
それでは、ある程度、本小説誕生秘話らしきものを語ったところで、そろそろ後書きを終わらせて頂こうかと思います。後書きにしては長すぎてすみません。
各章の解釈とか各登場人物誕生秘話らしきものも書くべきなのかもしれませんが、それは読者の方々個人の解釈に任せてしまいます。
とまあ、何とも締まらない終わり方にはなってしまいましたが、全百七万字にも及ぶ本小説を最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
作者のこれからなどにつきましては、後日改めて活動報告で発表させて頂きます。
若干宣伝にはなりますが、たぶん次も似たようなSFサイコホラー的な何かを書く予定ですので、そちらもよろしければまたご覧下さい。
約一年間、ありがとうございました!