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第2話:【クナイセン中尉の華麗なるクリスマス】


皆様、こんにちわ~♪


現在、実家で家の改築業者の到着待ってる暮灘です(^^;


いや~、なんちゃってとはいえ慣れない仮想戦記物とか書いてると執筆速度が遅くなりますね~(汗)



さてさて、今回のエピソードは…


クナイセンにレニ、そしていよいよ今まで名前しか出てこなかったエウレカが出てきます♪


えっ?

エウレカはレントンの嫁?


それはエウレカ違いでんがな!(笑)

だから、サーストンじゃなくてハルトマン、お兄ちゃんが人類最高の撃墜王のわん娘(えっ?)ですよ~。


あっ、一応微エ○注意です(笑)




とにもかくにも、ようやく本来の主人公が出てくる第2話、お楽しみいただければ嬉しいッス♪








1941年12月24日、突如ポーランドとの国境線を越え侵入してきたソビエト赤軍…


サンタクロースよろしくクリスマスに彼らが運んできたのは…


「拝金主義者どもに死の鉄槌をっ!!」


「なぁ〜にカミサマに祈ってやがるんだぁ〜。カミサマ祈れば弾に当たっても天国に行けますってかっ!!」


「おらっ! 孕めっ!!」


「げひゃひゃ! コイツは俺のもんだぜっ!!」


"地獄"であった…









**********




プロイセン/バイエルン州ミュンヘン市の郊外、とある屋敷




都会と言っていいミュンヘン市の喧騒がどう転んでも届かない郊外に、中々どうして立派な屋敷が建っていた。


近隣の住人達はその様式から冗談めかして【クルツ・サンスーシ(切り詰めた無憂宮)】等と呼んでいたが、その屋敷の持ち主は中々に有名人だった。


「全ての物には代償がいるのさ。命一つもはれねーで、大金稼げるわきゃないだろうが?」


革命の嵐吹き荒れるロシアでギリギリまで粘って荒稼ぎ(主にボリシュビキに目の敵にされていた貴族や富裕層の護衛や私兵達に武器を流していたようだ)し、プロイセンに帰国後は民主化…【ワイマール憲法】の発布により特権を失い、すっかり価値が下落したユンカーの地位を買い取ったという伊達と酔狂と放埒をこよなく愛するよろず商人の【グスタフ・アルベルト・ミヒャエル・フォン・クナイセン】という男だった。


だが、老いて(という程の歳でもないが)なお盛んなグスタフは、本日は息子と13歳しか年が離れてない妻を連れて【バイエルン地方で最も有名な総合エンジンメーカー】主催のパーティーに列席していた。


正式名称は【Bayerische Motoren Werke(バイエリッヒ・モートレン・ヴェルケ:バイエルン地方のエンジン会社)】、そう"BMW"だ。


実はグスタフ、1917年にBMWが創業した際の出資者の一人で、実は創業メンバーの一人が友人だったらしい。


その友人がベンチャーで会社を立ち上げる際に資金繰りの相談に来た時、混迷のロシアに旅立つ直前のグスタフは、


「その程度の金額なら、銀行なんざ通さなくても俺が出してやる。金は返さねぇでいいから代わりに株券よこせ」


と言い残し、大株主となったのだった。


帝政ロシアがソ連になる直前に帰国した際も、グスタフはしこたま儲けた金でまだまだ小さかったBMW社の株をユンカーの地位と一緒に購入したようだ。

グスタフ曰く、


「バイエルンに自動車産業を根付かせるって心意気が気に入った。どうせなら、世界最高のスポーツカーを目指してみようや」


噂では、グスタフは若い頃にはアマチュア・カーレーサーとしてならしてたらしい。




☆☆☆




何やら本来の主人公より、父親のグスタフの方が面白い話が書けそうな気もするが…


それはさておき、肝心の"彼"が何をしていたかと言えば…



"ぴちゃ…くちゅ…"


「ご主人様、気持ちいい?」


「ああ」


自分の"主砲"を奉仕する、白銀の髪を女の子にしては短く切り揃えた、さっかから場所を選ばず発射された"白い液体(ほうだん)"がドロリと流れ落ちる大事な部分を隠す気もないように、無惨に破れたメイド服を申し訳程度に纏った少女…いや、少なくとも"見た目"は年齢が二桁にも届かぬような幼女に、


"くちゅ…にゅちゅ"


「えへへぇ〜。"ごしゅじんさま"、エウレカの舌はどうかなぁ?」


「抜群だが…ところで、《エウレカ》」


「あに?」


「なぜにお前まで俺を主人と呼ぶ?」


すると"エウレカ"と呼ばれた、こちらも見た目は年齢がようやく二桁に届いたばかりに見える、少しクセのある明るい金髪をやはり肩に届かないくらいに短めに揃えた少女だ。


メイド服の幼女に対し、彼女は華奢で平たいちっさな肢体を隠す物は一切身につけていなく、その分二つの穴からは白濁液がゴポッと滴り、また同じ物がマーキングでもするように全身にこびりついていた。


「だってぇ〜、エウレカはごしゅじんさまの"飼い犬"だしぃ♪」


屈託なく幼さを隠さず微笑む少女…


青年は小さく溜め息を突きながら、少女…エウレカの頭を撫で、


「まあ、いいか」


「♪」


「ああ、ならちょうどいいかな?」


青年は用意していた綺麗な化粧板で拵えられた小箱をどこからか取り出し、


「メリークリスマス」


とエウレカに手渡した。

一瞬、きょとんとした顔をする彼女だったが…


「開けて…いい?」


期待を込めた瞳で上目遣いに見るエウレカに、


「ああ」


青年は小さく頷く。


かぱっとエウレカが小箱をひらくと、


「"首輪"…?」


そう、それは出入りの職人に作らせた上等なゴートスキンに、細緻なエングレーブと共に【EUREKA】と彼女の名が刻まれた18金の楕円のプレートで構成されたチョーカー…いや、まごうことなく"ペット"を繋ぐ首輪だった。


「喜んでくれるか?」


彼女はそれに答えず、


「ごしゅじんさま、エウレカの首に巻いてくれる?」


「ああ」


"すっ…"


微かに空気が動き、エウレカの首にタイトな感触が巻き付いた…


「似合う…かな?」


青年は満足そうに頷き、


「よく似合ってる。卑しく淫らで可愛い"牝狗"の姿だ」


寧ろ朗らかに告げる。

エウレカは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに顔を赤らめると、


「ごしゅじんさま、エウレカのこと…ずっと飼ってくれる…?」


「何を今更だ」


青年は苦笑しながら、


「ずっと前から、エウレカは俺のもんだろ?」


"ぽろ…ぽろぽろ…"


エウレカの瞳から綺麗な雫が零れ落ち、


「うれ…しい…」




☆☆☆




そんな二人を、銀髪の幼女(?)は微笑ましい表情で見ていた。

内心は出さずに…


(ようやく、ここまできた…)


幼女…いや、屋敷では専属侍女(お付きのメイド)として10年以上青年に付き添ってきた《レニ・ベルグカッツェ》は、内心でそうほくそ笑んだ。


革命直前のロシアで、おそらくただ"裕福だから"というだけの理由でボリシュビキ達に襲撃され、目の前で父親は頭を撃ち抜かれ、母は犯されながらなぶり殺しにされた…


見た目通りの年齢だった自分も引き摺り出され、代わるがわる男達にあらゆる穴を犯され続けた…


自分は、その時に成長も母となる機能も、両親が殺された時以外の記憶を全て失った…


グスタフに助けられた時、彼女に残っていたのはボロ雑巾のようになった幼い肢体と、覚えていた"レニ"という多分、自分の愛称だけだった。


名字すらも、この若い主人から戴いたような物だ。


グスタフに手を弾かれ、まだその頃の幼かった青年に初めて会った時、


『なんか猫みたいだね♪』


その言葉を酷く気に入った自分は、以後ドイツ語で"山猫"を意味する《ベルグカッツェ》を名乗るようになった。


『ならば、坊っちゃま。ボクは坊っちゃまの猫になります』


グスタフはレニの言葉を聞いて大笑いしたそうだ。


最初はただの遊び相手、だが幼児だった青年が少年へとなり、"男としての機能"を持つ頃…


『坊っちゃま、ボクは何をしても赤ちゃんはできませんから』


そう筆を下ろした。

遊びの項目に【性的な】という枕言葉が入るようになり、程無く青年の強い要望で専属侍女となり、青年は"ご主人様"となった。




☆☆☆




(長かった…)


お付きのメイドとなった後が、彼女の"野望"の始まりだった。


本来、青年はニュートラルな性癖とモラルの持ち主で、プロイセン的な意味でも十分に善人だった。


(でも、ボクがサキュバスになって…)


少しずつ倫理観や道徳心を融かしていった。


無論、レニが"理想とするご主人様"になってもらう為にだ。


そして最近になり、ようやく彼女の望む感性へとなった。




レニにとって恋人や妻など、しょせん人同士の"脆弱な繋がり"に過ぎない。


妻や恋人がいようと、笑いながら犯して殺すのが人間…自分はロシアでそれを自らの肢体で学んだ。


だから、彼女は【人の枠を外れたより強固な繋がり】を求めたのだ。


そして、レニの歪み乾いた欲望を満たすのは青年…グスタフの息子であり、自らの主人でもある


《キンベル・アーダベルト・ハインリッヒ・フォン・クナイセン》


の意識変更が必須だった。




☆☆☆




しかし、世の中甘い時間はそう続かない物だ。


ましてや戦時下なら尚更だろう。


「坊っちゃま、よろしいでしょうか?」


入室を求める女性の声に、


「かまわないよ」


入ってきたのはメイドの一人だった。


普通ならこの痴態(屋敷の若様が美少女と美幼女をはべらせている)に面食らいそうな物だが、この屋敷ではいつもの事なのか驚いた様子もなく、ただしアチコチにある"水溜まり"を踏まないようにしてクナイセンに近づくと…


「軍から火急の用件です…」


そう切り出してから何かを耳打ちする。


「なん…だと?」


クナイセンの顔色がみるみる変わり…


「本当かい?」


クナイセンの問いにそのメイドは、静かに頷く。


「わかった…レニ、エウレカ。着替えろ」


「「?」」


きょとんとする二人の頭を撫でながら、クナイセンはまた一つ溜め息をつき、


「どうやら、今年のクリスマス休暇はもう終わりらしい」


見上げた二人が見たのは、自分を無条件で愛し可愛がってくれる主人ではなく、軍人…【プロイセン皇国陸軍装甲中尉】の顔をしたクナイセンだった。











**********




「では《ハルトマン》大尉、行きますよ」


「あぅあぅあぅ〜! ご〜しゅ〜じぃ〜んさまぁ〜〜!!」


ちょうどクナイセン、レニ、エウレカの三人が着替え終わった時、まるでタイミングを合わせるかのようにクルツ・サンスーシ(クナイセン家)にやってきた、プロイセン軍を意味するバルケン・クロイツ(鉄十字)と【広報部】と白字で小さく書かれたメルセデス・ベンツの黒塗りのセダン。


そこから降りてきた憲兵隊の腕章をつけた係官に、エウレカは有無を言わさず文字通り引っ張られ、ベンツの後部座席に押し込まれてしまう。


ベンツはそのままいずこかへ…おそらく、手近なルフトバッフェ(プロイセン空軍)の基地にでも向かったんだろう。


「やれやれ、【ブリッツェン・ワルキュリア】も大変だな…」


彼女、《エウレカ・ハルトマン》大尉が所属するのはプロイセン空軍(ルフトバッフェ)特殊空戦技研究部隊…別の言い方をすれば、プロパガンダの為に女性だけで編成された航空機部隊、


【ブリッツェン・ワルキュリア(雷の戦乙女)】


特殊空技研究チームと言えば聞こえはいいが、実際のところは平時は内外のマスコミに「女パイロットでもここまでやれる」とルフトバッフェの技量の高さをアピールし、同時に国民への娯楽提供が口実の軍広報活動の一翼を担うアクロバット・チームとして動き、有事には「女だてらに戦闘機に乗って、お国の為に前線で戦ってるんだ」とアピールし戦意高揚と、「女が前線で戦ってるのに、俺達が国の為に戦わないでどうするっ!!」と軍への志願促進を行うプロパガンダ部隊として動く…簡単に言えば、そんな部隊だった。




軍の現実…

殆どは後方要員だが

人口学的、あるいは経済学的な限界から、【既にプロイセン軍の三割は女性】だということを知らない国民には、なるほど確かに効果的だろう。




☆☆☆




この時代、プロイセンの国防に必要な最低兵力は常備軍100万人と言われているが、背に腹は変えられない戦時ならともかく平時から100万もの優良な労働力を市場から奪うのは、経済発展著しいプロイセンには痛手になりすぎる。


であるならば、徴兵義務があるのは男性だけだが、わざわざ軍に志願してくるほど【(建前かもしれないが)愛国心に満ちた女性】を無下にする理由はない…


プロイセン政府も軍部も、その甘い誘惑に抗いきれなかった。




そんな軍人なら当たり前の現実を知ってるクナイセンは複雑な苦笑を浮かべながらエウレカの乗るベンツを見送った後、


「さて、俺達も行くか?」


上等兵の階級章をつけた軍服を着たレニと共に愛車の【BMW327クーペ】に乗り込むのだった。







次回へと続く




皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m


いや~、なんとか第2話を投稿できました(^^;


今回は導入部…まあ、クナイセンの日常パートから戦闘パートに流れていく姿を書けたらなぁ~と(^_^;)




正直、チョビヒゲのおじさんがいない以上はあまり奇想天外の兵器は出てきませんし、PPG自体もさほど需要のある話とは思えませんが、【プロイセンなりの防衛戦】をクナイセンの目線でこれからもお楽しみ頂ければ幸いですm(__)m





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