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第18話:【ルーデル閣下】


皆様、こんばんわ~♪


最近は時間の捻出が酷く難しくなってる暮灘です(泣)




さてさて、今回のエピソードは……ってタイトル通りですね(^^;


勿論、ルーデル閣下が主役です(笑)


【ユニークでタフで最凶(笑)のPPG版ルーデル閣下】


が果たして皆様の目に移るか激しく心配ですが(汗)、気に入って頂ければ嬉しいなぁ~と(;^_^A


あっ、それとまたまたルーデル閣下以外にも新キャラが(笑)



そんなカオスなエピソードですが、お楽しみ頂ければ幸いッス☆








チェコ首都、プラハ近郊

プロイセン軍事航空事業団【プラハ事業団基地】




厳密に言えば、チェコ政府からは軍事基地認定されてるが、プロイセン的には軍需航空産業が金を出しあって作った"民間施設"という微妙な立ち位置の航空基地のそのまた一角……


軍事施設と呼ぶには、少々豪華過ぎる士官用食堂に"彼"はいた。


堂々たる体躯をプロイセン陸軍航空隊の制服に包み、身に纏う彼を一回り以上大きく見せてる独特で強烈な空気……


輝く一級鉄十字勲章と真新しい大尉の階級章にパイロットを示す【黄金の(ゴルデン・フリューゲル)】……


彼の名は《ハンス=ウルリッヒ・ルーデル(Hans-Ulrich Rudel)》。


通称で言うなら"今のところ"は【スツーカ大尉殿】で済んでい。


しかし、この名前を聞いてピンと来る方も多いのでは無いだろうか?


そう……

史実では世界最高にして最強の【空飛ぶ史上最強のタンク・ジェノサイダー】……


恐らく彼のスコアは、この先未来永遠塗り替えられる事は無いだろう。

何故なら彼、ルーデルの史実における第二次世界大戦の"公式なスコア"は……



戦車519輌


装甲車・トラック800台以上


火砲(100mm口径以上)150門以上(100mm以下も含めると数えきれない)


装甲列車4両


戦艦1隻撃沈(ガングート級戦艦マラート)

嚮導駆逐艦1隻


駆逐艦1隻


上陸用舟艇70隻以上

航空機9機(戦闘機2、爆撃機5、その他2。9機のうち1機は37?砲による)




☆☆☆




最早、個人の撃破スコアというレベルじゃない(汗)


陸と空の違いはあれど、練度最高完全編成の1個機甲軍団でも容易に達成できない数字だ。


というか一説によれば、ルーデルの戦果はざっと10個機甲師団に匹敵するとも……(汗)


実際、ルーデル閣下(あえてこう呼ぼう)を知ってる人間に言わせれば、


『アム○もキ○もチートキャラかもしんないけど、まだまだ人間の範疇じゃん』


という事らしい。

というか同じ作品に準えるなら、ルーデルは旧ザクでエルメスやアレックスやビグザム墜とす(あるいは旧ジンでプロヴィデンスやストフリ墜とす)ような事を涼しい顔でやってのけるのだから、本気で"リアル人外"だろう。


なんせスターリンは名指しで【ソビエト人民最大の敵】と罵り、ルーデルに現在の日本円に換算すれば5億円もの賞金をかた。


またヒトラーはルーデルの活躍が凄まじ過ぎて渡す勲章がついにネタ切れになり、わざわざ彼一人の為に新しく勲章を作ったくらいだ。




☆☆☆




ただ共産主義者にしては幸いな事にルーデルは"今のところ"、史実ほどには派手に暴れてはいない。


精々、二十歳の時に起きた"スペイン内乱"において、プロイセンが義勇軍名目で派兵した《ヴァルファルム・フォン・リヒトホーフェン》男爵大将率いる【コンドル軍団】に陸軍航空隊の"見習い士官(士官候補生)"としてまぎれこんでいた。


戦場の空気をたっぷり吸った後、どさくさに紛れてその力強い急降下に惹かれたスツーカに乗り込むと、史実より遥かに早い内戦の終息により役目を終えた【コンドル軍団】が帰国するまでの最後の1週間で、


【公式的には誰が潰したか分からない戦車の残骸(何故か赤色勢力ばかり)】


を1ダースと少しほど量産したようだ。


多分だが、彼にしては少々大人しいがこれが【PPG世界のルーデル】、その非公式なデビュー戦だろう。




☆☆☆




少尉への正規任官は帰国後だったようだ。

つまり、正規任官前に戦場に立ったとなると色々面倒なので、ルーデルの戦果は公式記録には残ってないのだろう。


ところでルーデル、生き延びた解放感からか……


『お前が陸軍少尉か……一端の軍人となった以上、いつ戦場の露と消えても不思議ではない。男としての本懐と責務は遂げておけ』


という親の薦めに従いあっさり婚約してしまったのだが……



紹介された婚約者がエッライ年下(史実と同じ年齢差)だったのは流石に面食らったようだが……それでも『漢に二言はない』とばかりに婚約者の《ハンナ・ミューゼル》と婚約。


以後、ハンナはルーデル家(実家)で暮らすようになり、休暇でルーデルが実家に帰る度に……


【見てる人間がアハト・アハト並みの勢いで砂糖を吐き出しそうなイチャラブ】


っぷりで過ごしてるらしい。

恐らく21世紀に生きていれば、この夫妻(?)のテーマは《I wish》の【明日への扉】あたりだったに違いない。

また公式的には、


【ルーデルを最初に"撃墜"したのは、間違いなくハンナ】


というのが定説となっている。




☆☆☆




そして1939年……

"冬戦争"にCETO(欧州十字教条約機構)義勇軍の一人として参加。


この時もあの短い戦争で軽く半グロス(1グロス=12×12=144)程の戦車を含むソビエトの軍用車両を叩き潰し、装甲列車と列車砲を1両づつスクラップに変え、ついでに2機の攻撃機と多数の火砲を仕留めたようだ。


それが彼の評価へと繋がり、中尉への昇進と【一級鉄十字勲章】の受勲と相成った。




ただ注目すべきはそこではなく、実家に戻って短い休暇を過ごしていたルーデルの元に、冬戦争の出征の報せが届いた夜……


ハンナはついに覚悟を決め、常々機会を狙っていたルーデルに"夜間急降下強襲爆撃"を敢行。


見事に標的であるルーデルの"主砲"に命中し、"おんな"になることに性交……もとい。成功する。

後に残ったプロイセン軍の伝承(?)によれば、


【ルーデルをドッグファイトで堕としたのは、後にも先にもハンナだけ】


と記されているらしい。

まあ、ハンナが後に【あのルーデルを堕とした真なる撃墜王…いや、撃墜女王】と呼ばれるに足りうるエピソードだ。


蛇足ながら、出征届が配達されてから兵舎に戻る朝までハンナに離してもらえなかった(というか残弾0になるまで撃ち尽くされた)ルーデルの談話が残っている。


『ベッドの中のハンナは、イワンのシュトルモヴィクより100倍は手強くタフだったよ……』


……実に末恐ろしい○歳児である。










**********




PPG世界でも既に中々に豪快でユニークな軍事的武勇伝を残しつつあるルーデルであるが、史実では破天荒過ぎる存在故に新人時代に上司に疎まれ、出撃メンバーから外された……なんてこともあったが、どうやらこの世界では少し勝手が違っているようだ。


確かに厄介払いは厄介払いなんだろうが…ルーデルの上司は、


【彼ほどの人材を、ただ漫然と安全な本国で訓練させておくのは惜しい】


と、今まで命令無視等との相殺でお預けになってた大尉に昇進させると同時に、軍事航空事業団の【統合航空顧問教導隊】に放り込んだのだった。


実に大人の判断である。




ともかく、そんな経緯でルーデルはチェコの基地でワリと飯を食ってる訳だった。


まあ、ルーデル的には遠慮なく最新のD型スツーカを乗り回せる上、軍の食堂にしては上々の味付け食事なので、そう悪い環境ではなかった。


強いて不満があるとすれば、一応は外国なので実家に気軽に戻れず、何よりハンナに会えないという事ぐらいか?


ローテーションの関係で、今年はクリスマス休暇も取れなかった(ただし、しっかりプレゼントは郵送していた)事も実に心残りだ。


ルーデル的には膝の上にハンナの小さな肢体(からだ)と軽い重みがないと、どうにも休日を過ごした気にならないのが悩み所である。




蛇足ながらビジュアル・イメージ的(あるいはサイズ比率的)には【めだかボックス】の《人吉×不知火カップル》、あるいは【織田信奈の野望】の《サルねね夫妻(長屋継承エンド)》を思い浮かべてもらうとわかりやすいかもしれない。




☆☆☆




いい忘れていたがルーデル、教官だけでなくJu87のデモンストレーターも兼任していて、教え子や観衆に、


【設計や想定より少々荒っぽい急降下爆撃機の使い方】


を常識だと刷り込んでいた。

これが後の【急降下爆撃機を戦術弾道弾か何かと絶対に勘違いしている"命知らずのチェコ空軍"】を生み出す原動力となったのだが、それはまた別の話。




「ふむ……やはり、食事の〆は牛乳だな」


ドンとついさっきまで並々と牛乳が注がれていたが、今は空になったビールジョッキ(!?)をテーブルに置くルーデルだが……


「いや、それは"ダンナ"だけっしょーが?」


絶妙のタイミングでツッコミという名の支援爆撃を加えるのは、同じくプロイセン皇国陸軍航空隊の制服に"黄金の翼"、二級鉄十字勲章に中尉の階級章を付けた金髪の青年将校であった。


何となく【不可能を可能にする漢】で、戦死したと思われたけど後のシリーズでは仮面を被って敵として登場しそうな雰囲気がある。


言われてみれば、声もどこか某子安氏っぽい気もするが……?


それはともかく、彼は……


「おや? "ヘンリー"ではないか?」




☆☆☆




そう、彼の名は《ヘルムート・フィッケル(Helmut Fickel)》。

史実では、若輩ながらルーデルの僚機、つまり"ロッテ(2機分隊)"の片腕をつとめたパイロットで、副官としてもルーデルの無茶に終戦まで付き合い、またしっかり戦後も生き延びた腕も度胸も強運も兼ね備えた豪傑だった。




史実では1940年に徴兵されて航空学校に放り込まれ……という具合だったが、どうもPPGでは様子と出会いが違うようだ。


というかフィッケル、普通に陸軍航空隊士官学校を卒業していた。


しかもルーデルの僚機を務め始めたのは驚いた事に、前述の"冬戦争"からだ。




☆☆☆




正確には、本来なら士官候補生の一人として実地研修のつもりでフィンランドに送り込まれた筈だが……


そこでルーデルの僚機が被弾して緊急入院。

タイミング悪くその時はどの航空隊もでずっぱりで、直ぐに予備パイロットを回せる余力は無かった。


するとルーデルは、スツーカ乗り志願の陸軍航空隊士官候補生達を前にこう言い放ったのだ。


『学生の中で赤軍戦車を潰せる自信がある者はいるか?』


間違いなく軍規という物を頭っからガン無視した発言であった(汗)


半ば修学旅行気分でスカンジナビア半島の付け根に来ていた士官学校すら卒業してない学生達にこんな事を言ったところで、普通は戸惑うだけでまともな返事が返ってくる筈は無いのだが……


『自分は赤色勢力をまとめて吹き飛ばす為にスツーカ隊に志願しました。つまりは、予定が前倒しになった……と考えて宜しいのでしょうか?』




勿論、こんな無茶苦茶を言い出すのは……


『学生、名前は?』


『ヘルムート・フィッケル候補生です。中尉殿』


ニヤリッと笑うルーデルにフィッケル……


『良いだろう。直ぐにスツーカを用意してやる。フィッケル候補生、スオミの空で存分に(かぶ)いてみせよ!』


『ヤボール!!』










**********




そんな感じで、ルーデルとフィッケルの腐れ縁は、この時に始まった。


妙にウマが合った二人は以後、ヘンリー&ダンナとアダ名で呼び合い、今に至るのだった。


一応捕捉しておくと…

流石にCETO各国の目があるのでスペイン内乱のルーデルのように学生の身分のまま戦わせる訳には行かず、フィッケルは繰り上げ卒業&野戦任官で新米少尉として戦い二級鉄十字勲章を戦後に授与され、またチェコに出向の折に中尉へと昇進していた。




「ところでヘンリー、わざわざ食堂まで何用だ?」


フィッケルが先ほど昼食を済ませていた事を知ってるルーデルが問うと、


「なぁ〜に。ダンナはイワン達がポーランドで派手に暴れてるお陰で、チェコがプロイセンの保護国になったって話は知ってるよな?」


「うむ」


短く頷くルーデルにフィッケルはニヤリッと笑いながら、


「実はその流れで援軍に来た【機甲擲弾兵師団】の中に、中々面白くも懐かしい奴の名前を見つけたんでさぁね♪」


「ほう……何奴だ?」


「【キンベル・クナイセン】」


フィッケルは実に楽しそうに、


「冬戦争の"影の立役者"、【皆殺しのクナイセン】でさぁ♪」








次回へと続く







皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m


PPG版のルーデル閣下とフィッケルくん(+ハンナ)は如何だったでしょうか?(^^;


なんか想定以上に妙に面白い二人になってしまったような(汗)


さてさて、どうやらルーデル閣下もフィッケルくんもどうやらクナイセンと冬戦争で知り合ってた様子……


果たして、どんな過去があるのか?


物語は血腥さを増しながら、少しずつ直接対決へと進んで行きます……






かなり更新ペースが遅くなってきましたが、また次回で皆様にお会いできる事を祈りつつ(__)





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