SAMSARA
あー。体が寒い。痛いはずなのに痛みをあまり感じない。
きっと、とても高いところから落ちたのだろう。もう、息をするのもしんどいな。
目をもうどうやっても開けられないぃぃっ。
{うほ?おほふふぉ。きゃきゃきゃ・・・・}
うるさぁ。なんか鳴いているのかな? う。。。うるせぇぇ。。。
{ほほう。。。。ぽ。。。。。ほほほぉぉぉ!!}
なにかがそう鳴くとドカドカと音を立ててどこかへ行ったのだろう。
だけど、また、こちらへとドカドカが近づいてきた。
なんだよ。口になんか当てるんじゃねぇ。硬くて冷たいナニかをあてられている。
おいおいおいおいおいっ!?。まさか?アレを?アレがすぐ目の前にある?・・・はあぁ。もうどうでもいいわ。好きにすればいい。
ごほっ!!!! アタイの口に勢いよく細くて冷たくて硬い枝のようなものを突っ込まれた。
おんがががががががが。あがががががが。おげー!!!
体がビリビリする!!!!だけど痛くない。穴という穴から暖かい空気が入ってくるような不思議な感覚。なんだか、気持ちいい♡
今なら動ける。そんな気がする。動く動けるぞ。目を開けると傷のないアタイが目に映った。
もう少ししたら死んでいたはずなのに嘘のようにピンピンしている。
嘘
なんか、もう何も信じられない。何なんだよ。この島に来てから嘘の洪水。もういい加減にしてほしいところだ。
{おほうほうほうほう!!ああああああああああ!うほほほほほほほ!!!!!ぽぽぽぽぽぽふぅふぅ!}
鳴き声の主は、2mはあるであろう毛むくじゃらの巨人であった。しかし、まぁ。なんとまぬけ見た目だ。おまけに知性を感じないでかい声で鳴いている。
やかましやぁぁ!!ううぅ。なんで、なんで余計なことをすんだよー。あともう少しで死ねたじゃんかー!やっと、この体を捨てられたのにぃ!!
あああああああ!うわぁぁぁん。
{うほほ}
ちょんちょんと小指でアタイの肩をたたく。ん?あれれ?おおお。アタイの義指が肉の指に戻っているっ!おおぉ!それにぺったんこだったはずのおっぱいが少し大きくなってる?おおっ。おっぱいってこんなに柔らかくなれるんだぁ。なんか感心!!今気づいたけれど腰も足も痛くないっ。なんかラッキー♡
おい、お前のおかげか?
{んほほ?}
なんか腹立つ顔で首を傾げられたがまぁいいや。ありがとう。お前、名前は?そう訊くと巨人は、木の枝を頭から出して地面に描いていく。
S A M S A R A
これが、お前の名前かぁ。んーー。すうーっっ。やべ。なんて読むのだろう?というか、これ。どこの文字だろう?
書いてもらった文字を眺めていると巨人は、まじかよ。こいつ、ないわぁ~みたいな顔で見てきた。
ぐぬぬ。何とも言えねぇ。すると、巨人は、突然踊りだして低い声で言った。{サ・・ サンサーラァ}
ササンサーラね。あなたは、ササンサーラ!!ありがとう!命の恩人ね?なぜだろう?ササンサーラは、悲しそうな目でアタイを見る。なんだよ?何か言いたそうだねぇぇ。
{NO!!サンサーラッ!}
どうやら、ササンサーラではなくサンサーラだったようだ。んんんんん。なんかアタイ、知能こいつより低いのでは?おっ。おう。サンサーラかぁ。サンサーラねぇ。イカすじゃん。よろしくな?これから。。。何を?って感じだがとりあえず言っといた。
{YES!!!}
サンサーラは、むかつく顔で手を差し伸べてきた。なんか腹立つわー。こいつの顔。
だけど、なんだろうアタイは、こいつと仲良くなれそうな気がする。
今は、そう思おう。