今夜はイートイット
しくじった。私は、ジパングの地を踏むことに成功はしたのだが。…
この島の住人にひどく追いかけられてしまった。 私が聞いた限りでは、勝手な宗教布教や商売をしない限りは、温厚と言っていたんだけどな。
全く話を聞く姿勢が見られず。まるで獲物を狩るかのような眼をしていたな。あれは。
まぁ。なんとかその鬼ごっこは、終わった。
なんだが。個人的な問題が私を襲う。コホコホ。逃げた船に、ステロイド吸引薬を忘れた。あと、解熱鎮痛剤もだ。まじ最悪。私ってまじ馬鹿で笑えない。
鉱山や炭坑で働いたせいなのだろう。小さい頃から、喘息というものになりやすい。この吸引薬がないのはきついなぁ。そして、私には、仕事の事故で左手の小指がなくなっている。だから、たまに痛くなる時がある。我慢できない痛みではないんだけど飲むと痛みが嘘のようになくなる。また、生理痛の時に飲んだりもしてたから。はぁー。
薬がないことに気がついた途端に左手の小指の痛みと息苦しさが。咳が止まらない。苦しい。この体、何がいいんだろう。早くこの苦しみから解き放たれたい。
『おや。もしかして、この煙がイタズラを?それなら悪いね。』
ビクッと体をはねらせて、優しい声の方を振り向く。そこには、何というか……
羊の腸の詰め物?スパイスが効いててあの……
そう!ソーセージだ!ソーセージの着ぐるみに入った人が喋っている。
失礼だが、笑いそうになった。
だけど、なんか笑ったら殺されそうな気もしたので、なんとか、笑いを堪えて悟られないように努めた。
違うんだよ。昔からこうなだけ。あんたは、この土地の人?なんか違うような気もするけど。
『俺?俺は、もちろん。違うよ。出会いを求めて旅をしているだけさ。』
まじかよ。そんな格好で旅してんのかよ。うはぁー❣️吹き出しそうになった。
『もう、外は、暗闇だ。今夜は一緒にイートイットするかい?』
ふふ。くはは。あははは。
あんた、面白いね。絶対悪い人じゃないんだろうね。間違いないわ。安心した。アタシも一緒にイートイットしていい?
『もちろん!!君は若い。だから食べて。食べなければね。』
私は、初めてこんな面白い人にあった。どんな食事が出るのか楽しみだ。