表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/13

プロローグ 音信不通の夫を待つ新妻




「奥さま……今日も旦那さまからのお便りは届いておりません……」


「そう……」


「やはり……あの噂は本当なのでしょうか……?」


「噂?ああ、“王国騎士団のフォルカー・クライブは遠征先で出会った女性とよろしくやっている”というやつ?」


「そうです……奥さまっ……ワタシは悔しいです!遠征して三ヶ月間一度も帰られず、手紙も寄こさず、尚且つそんな噂まで流れるなんてっ!奥さまを蔑ろにしているとしか思えません!クヤシイッ!新婚なのに!旦那さまはひどい!」


「そうカッカしないでヤスミン。頭の血管が切れてしまわないか心配になってしまうわ。私なら大丈夫だから」


「でもっ……!」


「フォルは…夫は危険な任地に赴いているのよ?おいそれと帰って来られるわけがないし、輸送に使われる公路も魔獣が多く出没していると聞くわ。きっと手紙を出したくても出せないのよ」


「奥さまは人が良すぎます!……まぁそれが奥さまの素晴らしいところではございますが……クスン」


「ふふ。ありがとう、ヤスミン」


「奥さまぁ~オーイオイオイ」


ヤスミンは我が家(ウチ)で雇っている通いのメイドだ。


一介の平民騎士の家庭にメイドがいるなんてとても贅沢な話だけれど、結婚式を挙げて早々に起きたスタンピード鎮圧のために出征したフォルカーが心配して雇い入れてくれたらしい。


《《らしい》》というのは我が家にやって来た経緯をヤスミン本人から聞いただけだから。


ヤスミンはフォルカーが遠征している辺境地の領主の館でメイドをしていたそうで、働き者で気のいいヤスミンのような壮年女性が新妻の側にいてくれたら安心だと言ったという。

そうしてヤスミンは現地で夫に雇い入れられ、王都にある我が家にやって来た。


私の名前はシュリナ・クライブ。

両親を早くに亡くし、父方の遠縁の家に引き取られた。

その家の三男坊であったフォルカーと、遠い親戚から同居人、同居人から恋人を経て晴れて夫婦となったのが三ヶ月前。


だけど新婚一週間目にして、フォルカーが所属する第三連隊は魔獣討伐のために辺境の地へと出征が決まり、私たちは離れて暮らすことになってしまった。


それから三ヶ月、夫からは一切連絡がなく音信不通となってしまっている。


そうして近頃、ヤスミンの故郷である辺境の領主のタウンハウスで(まこと)しやかに噂されているのが、


フォルカーが遠征先の町で知り合った女性と《《よろしく》》やっている……というものだ。


それを初めて聞かされた時、私は思った。


“よろしく”ってなに?と……。





───────────────────





はじめましての方もそうでない方もよろしくお願いします!


明日の朝も更新ありマッスルᕙ( ˙꒳˙ )ᕗ








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ