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9-12.真実
――すると、そこに。
コンコンと、控えめなノックの音が響く。
「アーク、中にいるの?」
ソフィーの声だ。アークが椅子から立ち上がり、扉を開けた。
その向こうでソフィーは、渋い表情を浮かべている。
「何かあったのか?」
「それが…神殿の浄化のことなんだけど」
次の瞬間、ソフィーの口から出た言葉に、アークは耳を疑った。
「『出来ない』って…どういうことだ?あの3人は神殿守護職だろう?」
「そうなんだけど…いつまでも戻ってこないから、ジルたちと様子を見に行ったのよ。そしたら…」
ソフィーが言うには、西と南の神殿はそれぞれ清めまでは終わっていたものの、肝心の浄化のエネルギーが空のままだったという。その中でリタたち3人は、呆然と立ち尽くしていたそうだ。
「…浄化の回路が、閉じちゃったんだ」
ベッドの上でイリスが呟くと、アークとソフィーが振り返った。
「回路が、閉じる?」
駆け寄って来た2人に、イリスが頷く。
リタたちは神殿の浄化はおろか、日々の“自浄”すら怠ってしまったのだろう。その為浄化の回路が閉じ、力を失ってしまった。




