9-9.真実
☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩*✯☪︎⋆。˚✩
スープを食べ終えて少しした頃、病室に再びノックの音が響く。
「…イリス、起きてるか?」
「アーク?」
仕事から戻ったアークが、イリスの様子を見に来たのだった。
「具合は?…まだ顔に血の気が戻ってないな」
「ううん!さっきよりずっと力が戻って来たよ。アークのスープのお陰かな?」
イリスの笑顔を見て、アークもほっと胸を撫でおろす。
椅子を引いて腰かけるアークに、イリスは。
「…アーク、神殿の浄化は、どうなった?」
「ああ、すぐ他の3人に言って向かわせた。もうそろそろ終わってる頃だろ」
その言葉に、今度はイリスが安堵の表情を浮かべた。
「今回の件は、天使界にも報告してきた。お前が4人分仕事してたって聞いて、随分驚いてたぞ。『なんて無茶なことを』って」
「うぅ…」
イリスが気まずそうに俯く。カーシャや他の天使たちに、心配をかけるつもりはなかったのだが。
そんなイリスに、アークは短く嘆息してから。
「お前、一体いつから1人で浄化してたんだ?」
アークの問いに、イリスは顔を上げる。
「女神祭の3日目からかな。みんなには、神殿の浄化を何度もお願いしたんだけど…聞いてもらえなくて」
「ひょっとしてその間、3か所の神殿が浄化されない日もあったのか?」
「…うん。少なくとも、2日目に私が見に行った時は、3か所の神殿は淀み切ってた」
イリスが言うと、アークは腕組みし、深く頷いた。




