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2-3.騎士と天使

同じ日の午後。


イリス達4人の聖天使は、神殿の浄化を一通り終えて、帰路に着いていた。


「ふあぁ~、終わった終わったぁ~!」


リタが大きく息を吐き出しながら天を仰ぐ。


「覚悟はしてたけど、めっちゃ魔力消費するね…」


レイナが疲れ切った様子で呟くと、イリスはくすりと微笑みながら。


「私も最初は辛かったけど、続けてるうちに慣れてきたよ。先輩たちもみんなそう言ってたから、大丈夫だよ」


一般的に、個人の魔力は生まれた時点で“器”がある程度決まっている。持てる“器”が大きければ大きいほど、強力な魔法を使えるのだ。


しかし、“浄化”の場合は少々特殊で、発現さえすれば、その威力は鍛錬を重ねただけ強くなる。


イリスが異例の速さで聖天使に昇格したのも、生まれつきの才能というわけではない。その理由には、同じく聖天使だったイリスの母が、大きく影響している。


母はイリスを育てる傍ら、聖天使としての仕事も続けていた。そんな姿を幼いころから見てきたイリスは、自然と“天使”に憧れを抱くようになる。


母の部屋には、花天使時代に学んだであろう神話や光魔法の指導書が、本棚いっぱいに詰め込まれていた。イリスはそれらを片っ端から読み漁り、十二になる頃には全て読み終えてしまったのだ。


そしてある日、ふと思い立って、“浄化”の基本である“自浄(ヒーリング)”の呪文(コマンド)を、唱えてみると。


両掌から白い光が溢れ出し、イリスを包み込んだ。イリスに“浄化”が発現したのは、この時である。


それからすぐ、イリスは花天使として大聖堂に入り、瞬く間に進級していったわけだが、何のことは無い。要は、他の花天使たちよりも一足先に、必要な知識を身に着けていたというだけだ。


つまり、今日から守護職に就いた3人も、鍛錬次第でいくらでもイリスに追いつけるのである。


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