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7-9.異変
「まぁ…何て贅沢な」
カーシャがぽかんと口を開けるのを見て、レギオンも苦笑で同意を返す。
「ええ、仰る通り。しかし、祭り期間中の激務で、騎士たちが大分疲弊しているのも事実。それは天使の皆様も、同様ではないですかな」
「確かにそれは、その通りですわ」
カーシャが頷く。特に昨夜から、浄火の乱れの原因究明のために、天使たちには更なる負担をかけてしまった所だ。
レギオンは微笑みながら。
「ですので私は、国王のご厚意を有難く受けることにいたしました。王によれば、明日は騎士と天使がいつ城を訪れても構わないよう、常時料理を準備するとのこと。それなら職務を続けながら、合間にご馳走になることも出来る。」
「なるほど。仕事の合間に、ですか。それであれば天使たちも参加できますわ」
レギオンが、満足そうに頷いた。
「決まりですな。王には私から報せておきましょう。明日は是非、天使たちを労ってやってください。ああ勿論、カーシャ殿もご自愛なされるよう。」
「ありがとうございます」
カーシャが優美に一礼すると、レギオンは立ち上がり、颯爽と執務室を後にするのだった。




