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7-5.異変

――――…?


地響きのような耳慣れない低音が、どこからともなく聞こえたような。


思わず振り返った3人のもとに、アークも駆け寄る。


もう一度、同じ音が空気を震わせた。今度はより近くに。


「…上だ!」


咆哮と共に、空から黒い影が降って来る。


アークたちの目の前に降り立ったのは――見たこともないほど巨大な、黒い竜の魔物だった。


両翼を広げ、二本足で立つその姿は、まるで空を覆うかのよう。


「こっ…黒竜!?なんで、こんな…!!」


「落ち着け!魔物を刺激するな」


パニック状態のカイを、アークが素早く宥める。


(どうする…こんな魔物が国に入り込んだら、どれだけの被害が出るか)


目の前の黒竜を鋭い目で観察しながら、アークは必死に頭を巡らせる。ひょっとするとこの黒竜は、12年前国を襲った魔物と同等の――いや、それ以上に強力な魔物である可能性すらあった。


だが、幸いこの場所は国と森との境界。その上、国防の要である騎士団本拠地とも目と鼻の先だ。初手を間違えなければ、大事に至る前に撃退できるはず。


突然の魔物襲来に、他の若手騎士たちも続々と集まって来た。


と、ここで、黒竜の様子をじっと窺っていたアークは、違和感を覚える。


(…こいつ、一体どこを見ている?)


先ほどから黒竜は、足元の人間たちには目もくれず、しきりに空中の匂いを嗅いでいる。


その様子はまるで、目の前にいるアークたちの姿を、捉えられていないような――…


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