6-6.それぞれの祭り期間
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「あ~あ、今日もアーク様、いなかったなぁ…」
買い込んだ大量の食材を抱えながら、市場の中を歩くリタ。
折角、毎日最大限可愛くおしゃれして、街をあちこち歩き回っているというのに。行く先々で褒めてくれる男性は掃いて捨てるほどいたが、一番見てほしい人にめぐり逢えないもどかしさに、ついつい溜息が零れてしまう。
そのリタの両脇には、同じように大きな籠を手に歩く、レイナとエルダの姿もあった。
「おうおう、恋する乙女は可愛いねぇ~!」
「ちょっ、エルダこそ、昨日の夜騎士様といい感じになってたじゃない!」
そう言って、リタとエルダがつっつき合う。
「はいはい、2人ともじゃれてないで、早く帰って料理しないと間に合わないですよ~」
レイナが茶化すと、2人もはたと我に返って。
「そうだね!今日も、騎士様たちが楽しみに待っててくれるんだもん!」
3人は足早に市場を抜け、家路を急ぐのだった。
西からの道の交差点に差し掛かった、その時。
「…あ」
道の向こうから歩いてきたイリスの姿が、3人の瞳に映る。
「…みんな」
イリスもこちらに気付いたらしく、すぐに駆け寄って来る。
心なしか足取りがおぼつかないように見えるのは、気のせいだろうか。
「みんな…お願い。ちゃんと、神殿を浄化して…!」
訴えかけるようなイリスの瞳。レイナとエルダは決まりが悪そうに目を反らしたが、リタは。
「ごめん!忙しくて、つい忘れちゃった!明日はちゃんとやるから、ね!」
そう言って上目遣いに片目を瞑ってみせた後、また、イリスの前から立ち去ろうとする。
が、イリスはその右手を掴んで止めた。




