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5-14.天手古舞
「ていうかリタ、今日のメイク超可愛い!リップとチーク、新しくしたの?」
「私も聞こうと思ってたの!ねぇねぇ、作り方教えて~!」
「ふふ、まぁね~!じゃ、後で2人にも教えるよ」
レイナとエルダに褒められて、リタは得意気にそう言ってから。
「でも今は、騎士様たちがお腹すかせて帰ってくる前に、お料理を持って行ってあげないと!」
「はぁ~い!」
こうしてリタたちは、何十人分もの大量の料理を弁当箱に詰め、まだ温かいうちに守衛館へと運び込んだ。
突然、可憐な天使と共に訪れた美味しそうな料理の数々に、騎士たちは大いに喜び、3人が丹精込めて作った料理は飛ぶように無くなっていく。
この時はまだ、騎士も天使も誰一人として、異変に気付く者はいなかった。
リルフォーレを守護する結界に、わずかな綻びが生じていたことに。
そしてその綻びから漏れ出た淀みはやがて、森の奥深くに潜む魔物たちを、呼び寄せ始めるのだった。




