5-13.天手古舞
「リタ、顔、怖い怖い。もっと楽しく作ろうよぉ」
「まったく、リタをここまで惚れ込ませるなんて、アーク様も罪な男ね」
両脇から2人につっつかれ、リタはふと、力を抜いて笑いかけると。
「…ごめんね。2人にも手伝ってもらっちゃって」
「ううん!だってこれを持って行けば、私たちも素敵な出逢いがあるかもしれないもん!」
「そうそう!リタに負けてらんないもんね~!」
3人は笑い合いながら、早速野菜を切り始めた。
「…ねぇ、神殿の浄化、行かなくて大丈夫だったかなぁ」
しばらくして、レイナがぽつりとそう零す。
リタとエルダも一瞬、手を止めて。
「…実は私も、何かとバタバタしちゃって。昨日から浄化できてないの」
「リタも?私も騎士様たちの様子見してるうちに、つい…」
「メイクもヘアも、いつも以上に時間かけて頑張ってるしね」
そう言って、3人で顔を見合わせてから。
「…でもさ、この2日間、別に何も起きなかったじゃん。てことは、毎日浄化しなくても大丈夫なんじゃない?」
リタが言うと、2人も納得した様子で。
「なるほど、確かにそうだね~!」
「うんうん。今までずっと、真面目に浄化してきたんだもん。ちょっとくらい休んでも平気だよね!」
3人に笑顔が戻り、台所には再び賑やかなおしゃべりが響き始めた。




