5-7.天手古舞
――…?
イリスがふと足を止め、振り返る。
(――呼ばれてる…?)
それは、浄化の魔法種を持つ者にしか分からない、直感のようなものだった。
理由は分からないが、突然、何かしなければならないような感覚に駆られることがある。天使たちの間では、「女神リリーフェからの啓示では」、とも言われている。
この時イリスは何故か、この先にある神殿に今すぐ行かなければならない、という気がしてならなかった。
無論、何故かは分からない。何せイリスが“呼ばれて”いるのは、普段浄化を受け持つ『北の神殿』ではなく、『東の神殿』。
そこは、リタが浄化を担当する場所である。
首を傾げながらも、イリスは自らの直感を信じ、東の神殿へと行ってみることにした。
「――…これは」
何故呼ばれたのかは、東の神殿に着いてから分かった。
その異様な空気に、イリスは籠を地面に放り出し、すぐさま神殿の重い扉を開け放つ。
その目に飛び込んできたのは、浄化を施されず、淀み切った神殿の姿だったのである。
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