5-6.天手古舞
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女神祭2日目。この日もイリスは、朝から早速薬の配達に取り掛かっていた。
相変わらず薬の追加依頼が入って来るが、昨日に比べて数は格段に減っている。人々も、1日目の失敗を経て学習したようだ。
とは言え、薬を作っては届けを繰り返しているうちにあっという間に時間は過ぎ、午後になってようやく、神殿の浄化に取り掛かることが出来た。
作業を終えて神殿を出たイリスは、太陽の位置で時間を確認する。
(良かった…市場、まだ間に合いそう!)
ほっと胸を撫でおろした。
昨日、今日の大量発注で、薬草のストックはほぼ底をついてしまった。イリスの家の畑で育てているものもあるのだが、森に入らないと取れない野草も多い。そのような野草は騎士たちが採集し、国の許可を得た薬師が、市場で医者や天使に配布しているのだ。
日用品とあわせて買い物を済ませてしまおう。勿論、ケーキの材料も一緒に。
イリスは家に戻ると、大きな籠を持って市場に向かった。
祭り期間中の市場は、やはりいつにも増して賑わっている。各店舗とも、様々な限定品を用意して女神祭を盛り上げていた。
イリスが店を訪ねると、店主たちは「女神さまの祝福を」と、そんな限定品をおまけして持たせてくれるのであった。
そんなわけで、当初の予定よりもさらにたくさんの品物を籠いっぱいに詰め込んで、帰り道を歩いている時。




