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4-7.開祭の儀



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熱を帯びた南風がリルフォーレを吹き抜ける、7月。


女神祭初日の朝。大聖堂では、開祭の儀が厳かに執り行われていた。


会場となる祭壇の間では、正面に王族と、天使長を筆頭とした上位天使たちが整列する。


そして、壁に沿って部屋をぐるりと取り囲むように、騎士たちが立ち並んでいた。


静寂と緊張が立ち込める中、アークはいつにも増して真剣な面持ちで、ゆっくりと深呼吸する。


王が悠然と祭壇の上へ進み、そして。


「これより、女神祭の開祭を、宣言する」


そう、高らかに言い放った。


それに続けて、天使長カーシャが。


「女神の御許に、浄火を捧げる。聖天使イリス、前へ。」


その言葉を合図に、扉の両脇の騎士たちが、ゆっくりと取っ手を引き開ける。


開け放たれた向こうには――青と白の装束に身を包み、銀のトーチを手にしたイリスの姿。


凛としたその佇まいが目に映った途端、アークは思わず、息を呑んだ。


祭壇へと伸びる通路をゆったりとした足取りで歩き、イリスは王の前で一礼する。


それから、トーチの先に右手をかざすと、先端に朱く揺らめく浄火が灯った。


イリスは祭壇の横の階段を昇り、その上の聖火台に向けてトーチを伸ばす。


聖火台の端に注がれた浄火は徐々に広がり、祭壇を煌々と照らす大火となった。


イリスが他の天使たちと並ぶのを待ってから、王は。


「光の加護よ、永遠に。女神リリーフェに祝福を!」


こうして、開祭の儀は無事に幕を下ろした。


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