4-6.開祭の儀
「いやいや、神殿守護職ってだけで十分、天使の中じゃ花形だよ?うちらだって、絶対ハイレベルな騎士様狙えるって!」
「そうそう。むしろ、イリスは恋愛する気ゼロみたいだしさぁ。チャンスだよ、リタ!」
ふてくされるリタを、エルダとレイナが次々に励ます。リタはここに来てようやく2人の顔を見やると、気を取り直したように小さく嘆息した。
「…そうだね。女神祭では絶対、イリスより先に素敵な騎士様をゲットしてやるんだから!」
「うんうん!その意気だよ!」
リタに笑顔が戻ったのを見て、レイナもエルダも嬉しそうに微笑み合った。
「あーあ、私も女神祭で騎士様と番になって、早く引退したいなー。聖天使の仕事、思った以上に大変だし」
「だよねー。でも、花天使でいるよりも聖天使になったほうが、優秀な騎士様と出逢える確率高いじゃん」
「分かってるって。私だって、そのために必死で勉強したんだもん」
歴代の聖天使は、騎士と番になって家庭に入る者も多い。その後、育児が落ち着いたタイミングで仕事に復帰する者がほとんどだが、リタたち3人にその気は無かった。
「みんなどうして、わざわざ復職するんだろうね?そんなことしなくても、騎士の配偶者なら一生国から生活保障してもらえるのに」
「せっかく騎士様と番になったなら、辛い仕事なんて戻らずに、旦那様と可愛い子供たちと、幸せな家庭を築きたいよね~」
そんな理想の生活を手に入れる為には、早々に番となる騎士を見つけなければならない。その最大のチャンスは、言わずもがな女神祭だ。この女神祭までに聖天使に昇格することを目標に、3人は努力を重ね、そして見事に叶えてみせた。
楽しそうにおしゃべりを続ける2人を前に、リタは椅子に腰かけ直して。
「よし!そのためにも、まずはこのアクセサリー、完成させないと!」
「おー!」
リタの言葉を皮切りに、3人は再び、黙々と手を動かし始めるのだった。




