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4-4.開祭の儀
さて、今日も神殿の浄化を終えたイリスは、新しく仕立てた空色のワンピースに身を包み、市場を歩いていた。
「あっ、イリスちゃんだ!おーい!」
不意に名前を呼ばれて振り返ると、露店からソラナが手を振っている。
「あら、よく似合ってるじゃない。やっぱり私の見立てに狂いはなかったわね」
「ありがとうございます」
イリスが歩み寄ると、ソラナは機嫌よくウィンクを投げてきた。
「お仕事、まだ忙しいですか?」
「開催の儀の衣装は、あらかた終わったかな。後は個別の注文を仕上げて終わり。イリスちゃんの栄養剤のお陰で、何とか乗り越えられそうだわ」
「そうなんですね。良かった」
「いや、それよりさ!聞いたよ、イリスちゃん、浄化点灯やるんだって?」
そう言って、ソラナが顔を輝かせる。
「も~、そうと分かってれば、もっと気合い入れて衣装仕立てたのに!」
「いえ、そんな!ソラナさんのお洋服は、いつも素敵ですから」
仕立屋には、今日も明るい笑い声が絶えないのであった。




