4-3.開祭の儀
「あのねぇ、浄化点灯を任されるような立派な天使様、あんたなんかまだまだ釣り合わないわよ。まずは祭りの警護をやり切って、自分を磨いてからにしなさい」
「ええ~っ、じゃあ俺の幸せは、4年後までお預けってことっすか…?」
しゅんと肩を落とすカイの頭を、ジルがわしわしと撫でてやる。
「カイ、恋愛なんてもんは、焦ったってろくな結果にならんぞ。時期が来れば、自ずと自分に合った相手とのご縁があるもんさ」
「うーん…そういうもんすかねぇ…?」
朗らかに笑うジルと、まだ納得できない様子のカイ。
そんな様子を見かねて、ソフィーが。
「そんなに恋がしたいなら、お祭りの前にリリーフェ様にお祈りして来たら?『素敵な出会いがありますように』って」
「なるほど!じゃあ早速、大聖堂に行ってきます!!」
カイはぱっと顔を輝かせると、疾風の如く部屋を飛び出していってしまった。
「嘘…ほんとに祈りに行ったわけ?」
「はは!まあいい、どうせもう休憩時間だろ。好きにさせてやろうや」
呆れ顔のソフィーの横で、ジルは相変わらず笑顔のまま、ゆったりと立ち上がる。
「じゃ、俺も休ませてもらうが、アーク、あんまり根を詰めすぎるなよ」
「ああ。ありがとう」
アークに向けてにこやかに笑いかけてから、ジルも部屋を後にした。
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