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4-2.開祭の儀

「…どうかした?」


湯沸場でコーヒーを淹れて来たらしいソフィーが、不思議そうに尋ねる。


「…いや。この、浄火点灯だけどさ」


「浄火点灯って、担当は天使様だろ?何でお前が気にしてんだ?」


傍らで椅子に腰かけていたジルも、口を挟んでくる。


「…その、担当する天使が、俺の幼馴染なんだよ」


「ええっ!?先輩、そんな素晴らしい天使様と知り合いなんですか!?」


すかさず、カイが身を乗り出した。


「どんな方なんすか!?さぞ、お綺麗なんでしょうね!!」


「カイ、興奮し過ぎ」


鼻息荒くアークに詰め寄るカイを、ソフィーが耳を引っ張って連れ戻す。


「いててっ!!し、仕方ないじゃないっすか!みんなよく言うでしょ?女神祭で天使と結ばれる騎士は多いって!俺にとってまたとないチャンスですよ!!」


華やかで美しい天使たちは、国の男性陣から絶大な人気を誇る。それは、騎士たちの間でも例外ではなかった。


普段はほとんど接点のない両者だが、女神祭では互いに国の平和を守る立場上、顔を合わせる機会も多い。祭りに乗じて天使と番になることを夢見る騎士は、カイだけではないはずだ。


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