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第四章 開祭の儀

女神祭の開幕まで、あと半月ほど。


国の守護を担う騎士たちもまた、慌ただしい日々を過ごしていた。


祭り期間中は魔物の警戒に加え、浮かれ気分から羽目を外してしまう国民も多いため、騎士たちは総動員で街の警護に当たる。本日、女神祭での騎士の配置が発表されたことに伴い、守衛部隊長たちは早速事前準備に追われていた。


「アーク、装備の点検完了したわ。どれも問題なしよ」


「了解。ありがとう」


守衛館の一室、若手隊員たちの詰め所。その一角で机に広げた地図とにらめっこしていたアークのもとに、ソフィー、ジル、カイの3人がぞろぞろと集まって来た。


「警備計画作りは順調?」


「ああ…しかしこの分だと、期間中はほぼ休みなしだな。皆には申し訳ないが…」


「気にしないで。もとから覚悟の上よ」


ソフィーがくすりと笑いを零すと、後ろでジルとカイも頷く。


つられて微笑んだアークに、ソフィーは一枚の紙を差し出した。


「これ、渡してくれって頼まれたわ。開催の儀の式典資料。アークも参列するんでしょ?」


「お、サンキュ」


書類を受け取り、アークは早速目を通し始めた。


王族や上位天使たちが執り行う開催の儀では、騎士団の役員たちのほかに、警護要員として守衛部隊長たちも参加する。


今年から守衛部隊長となったアークにとっては勿論、初めての経験だ。資料をじっくり読み込んでいくと――ふと、その視線が、ある一点に留まった。


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