表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/122

3-7.女神祭

イリスの姿が見えなくなってから、ソラナはふうと一息吐いて手を下ろす。


「お、また客が来てたのか?」


市場の人混みの中から徐に姿を現した男性に、ソラナは振り返って。


「ああ、イリスちゃんよ。今日も薬を持って来てくれたわ」


「そうかい。いつも助かるなぁ」


そう言って店に立った男性は、ソラナの夫で織物職人のマルクだ。


「お前、もう家に戻ってていいぞ。さっき来た3人組のワンピース、仕立てにゃならんだろう」


「そうねぇ…女神祭までに3着、どうにか間に合わせないと」


言いながら、ソラナは早速数枚の布地を手に、帰り支度を始めた。


「“開祭の儀”用の装束作りもまだ残ってるし…こりゃ夜なべ仕事確定ね」


「まったく、天使様が全員、イリスちゃんみたいな子だと有難いんだけどなぁ。さっきの3人も確か、イリスちゃんと同じ神殿守護職だろう。無茶な注文しといて、交換品の一つも持ってこないなんて」


「まあまあ、もとから天使様の分のお代は、国が担保してくれてるわけだし」


そう言って苦笑しながら、ソラナは大きな籠を両腕に抱えると。


「それじゃ、後はよろしくね」


「おう」


マルクが頷き、ソラナは小走りで家に戻っていくのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ