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10-12.祭りのあと

(噓でしょ…)


途端にソフィーは頭を抱え、数歩よろける。


「…っと、大丈夫か?」


後ろから聞き慣れた声がしたかと思うと、アークが肩を支えてくれていた。


「あ、アーク…戻ってたの?」


「ああ、たった今な。これ、何の騒ぎだ?」


アークも午前中の仕事を終え、いつものようにイリスの様子を見に来たらしい。そこに普段は見ないような行列を見つけて、不思議に思ってやって来たのだろう。


「…いや、ごめん。私もまさか、こんなことになるとは…本当にごめん」


「?何を言って…」


ソフィーは相変わらず頭を抱えたまま、保管庫の中を指さしてみせる。


アークが覗き込むと、そこには。


「イリスちゃん、今朝から腹痛がするんだけど、良い薬ないかな」


「いやいや、俺なんて朝起きたら頭痛と吐き気が酷くて…」


「お前、それってただの二日酔いだろ!?それより、俺は…」


保管庫の中のイリスを何人もの騎士が取り囲み、口々に症状を訴えていた。


薬を求めてはいるが、真の目的は明らかに、イリスの方だろう。イリスは一人一人に懸命に対応しようとするが、そうする間にも後ろから別の騎士たちが、『早くしろ』だの『次は俺の番だ』だの、無理に割り込んでくるので中々話が進まない。


そんな光景を目の当たりにして、アークは一瞬、頭の中が真っ白になった。


しかし次の瞬間には、目にもとまらぬ速さで保管庫の人混みに分け入ると、イリスの手を掴んで引っ張り出す。


「あ、アーク!?」


イリスが目を丸くするが、アークはそのまま強引にイリスを連れ出し、保管庫を脱出したのだった。


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