表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/122

10-7.祭りのあと

「…あのね、アーク」


再び視線が合い、イリスは。


「もう一回、キスして?」


「…っ!?」


今度はアークが、耳の先まで朱に染めながら。


「…ま、まだ、魔力が足りないのか?」


「ち、違うよ!」


イリスはぷるぷると首を振って。


「アークがキスしてくれたら…私、また、頑張れるから」


その言葉に、アークは。


「…イリス」


小さく、呟いてから。


硬い、大きな手で、イリスの頬をそっと撫でる。アークは身を屈めて、唇を重ねた。


「…もう、頑張らなくていい」


ゆっくりと唇を離してから、アークは。


「ずっと好きだった。…イリスには、いつも笑っていてほしいんだ」


そしてもう一度、口付ける。


今度は、柔らかな唇を優しく吸ってから。


「…だからこれ以上、自分で自分を傷つけないでくれ」


それから、いくつもの口付けが降ってきた。


額に、瞼に、そして唇に。甘い熱に蕩けてしまいそうで、しかしイリスは不意に、アークの唇を指で封じる。


「あ、アーク…私にも、ちゃんと言わせて?」


目の前の空色の瞳を真っ直ぐに見つめて、イリスは。


「私も、アークが大好き」


「…ありがとう」


いたずらっぽく微笑むイリスに、照れたように微笑むアーク。そして再び2人は、長い口付けを交わすのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ