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10-6.祭りのあと

しかしアークは、ベッドの前を通り過ぎ、窓辺から外を眺める。


しばらくしてから、ぼそりと。


「…さっきは、すまなかった。緊急事態とは言え、その…」


「えっ…」


アークの言葉にイリスは驚き、そして真っ赤に頬染める。


窓の外をじっと見つめながら、アークも同じく真っ赤になっていた。


あの時はイリスを助けることに必死で、気付いたら身体が動いていた。だが、今となって思い返せば――自分がしでかしたことに、どんどん罪悪感が募っていく。


「いくら命を助けるためでも、あれは…お前は、嫌だったんじゃないかと思って」


「い、嫌なんかじゃないよ!!」


自分でもびっくりするくらい、大きな声が出ていた。


が、それ以上に驚いた顔で、アークが振り向く。


「あ、あの…だから…謝らないで」


目が合った途端、顔が火を噴きそうなほど熱くなり、イリスはやっとそう言葉にすると、再び布団を頭まで被ってしまった。


そんなイリスに、アークは。


「…そっか。それなら、良かった…」


心から胸を撫でおろす。そんな声音に、イリスは恐る恐る、顔を覗かせると。


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